2020/02/02

忙しい時期の急速充電

悪夢のような年末年始のインフル2連続が終わったら、今度は寝込んでいる場合ではないくらいに忙しくなった。


ツイッターやネット上のコラムでは、忙しい忙しいと連呼する人に限って非効率的な働き方をしているという指摘が飛んだりする。

私は思うのだけれど、人の生き方は人それぞれで、時と場合にも影響を受ける。

無数にあるテーマについて白と黒を明確に区別する必要はあるのだろうか。

効率的に働いていても忙しい人がいるだろうし、非効率的に働いていても暇な人がいることだろう。

組織論について述べる程には偉くないが、消耗が続く長期戦の場合、最もケアすべきは担当する人員の疲れだと思う。

疲労が蓄積してヒューマンエラーを誘発したり、身体を壊して倒れたら、組織にとって深刻なダメージに繋がる。

また、戦力となる人員の育成には時間と金と労力がかかる。この人手不足のご時世では容易に人員の補充も利かない。

最近のうちの職場の幹部たちは、部下の疲れについて配慮があって働きやすい。

それは余裕を持って働けという意味ではなくて、各人がオーバーヒートしないように自己管理し、負荷を分散するようにチームの陣形を整えろという意味だと理解している。

忙しいことに変わりはないが、それでもありがたい。

忙しい時期の心掛けとして大切なのは、きちんと食事をとること、睡眠時間を確保すること、そして仕事の意義を明確にすること。

仕事の意義付けについては精神論に近い感じがあるが、モチベーションの有無で疲れが違ってくる。

もちろんだが仕事に専念する上では家族からの心遣いも大切だ。最近の妻は私に対してとても優しい。

共働きで妻に負荷をかけてしまって申し訳ないが、その姿が私の励みになる。

とはいえ、深夜帰りが続いて疲れてきた。さすがに休日に休みをとろう。何だか妙な表現だな。

出勤時の電車の中でとあるものをAmazonで注文しておいた。すでに自宅に配達されていることだろう。

深夜に帰宅。まだ起きていた妻が、風呂上がりに嬉しそうな表情でこちらを見る。

通販で購入したのはパナソニックのナノケアというドライヤー。たかだかドライヤーだと侮れない。フラッグシップモデルは3万円近い価格だ。

ポチるには勇気が要るが、その費用対効果が良くて妻が喜んでくれる。

このドライヤーには工業分野で普及しているイオナイザーらしき機構が組み込まれている。

どのような仕組みなのか分からないが、女性の長い髪であっても短時間で乾き、癖毛も真っ直ぐに伸び、しかも艶が出て輝く。

ただ、値段の割に劣化が早い。妻が長時間ドライヤーを使い続けるようになったら交換のサインだ。

我が家でナノケアを購入するのはこれで3台目。

女性の髪は命と言うが、やはり髪が綺麗になった方が妻としてもストレスが減ることだろう。短時間で髪が乾けば時間の節約にもなる。

本来なら子育てや家事を分担して家庭を大切にする父親像が望ましいのだが、私はこの有様だ。これくらいのことしかできなくて情けない。

翌日は休みなので布団に倒れ込んで泥のように眠る。

すぐに新しい朝が来て、落ち着きのない我が子たちの元気な声で目が覚めた。元気なことは良いことだ。

妻が子供たちを連れて外出してくれたので、私はゆっくり休むことができる。

気分転換を兼ねて、自宅の洗面台やトイレといった水回りの掃除。

掃除が終わったら、あまり遠くに行けないけれどロードバイクに乗って江戸川の河川敷を軽く流す。

運動不足に加えて明らかに疲れている。冬の空気を胸一杯に吸い込んで吐き出すと、新鮮な気持ちになる。

また、ペダリングによる有酸素運動の効果だろうか、首や肩の凝りが解れる。やはりサイクリングは素晴らしい。

帰宅して、炭水化物と野菜が多めの食事を摂り、シャワーを浴びてから理髪店で散髪。

理髪店の鏡越しのテレビの画面には、中国の武漢を中心に流行している新型コロナウイルスの特集番組が延々と映し出されている。

私はテレビを全く見ないし、仕事が忙しくて番組を見ている暇はないので実感が薄かったが、マスターの話ではずっとこの調子なのだそうだ。

予想以上に社会に対してインパクトが生じている。

理髪店のマスターは同世代で、おそらく学生時代はヤンキーだったと推察されるくらいに喧嘩が強そうだ。

しかし、品薄の中で頑張って手に入れたのだろうか、彼は薄いマスクを着用し、ウイルス感染症に対して本気で恐れている。

その後、ホームセンターに行って、塩素系のクリーナーや歯ブラシ、バスマジックリン、マイクロファイバーぞうきんといった日用品を購入。

マスクはすでに品切れで、職人が目を保護するためのゴーグルさえ残っていない。これとこれで即席のマスクを作ることができそうだが。

夕方に帰宅したら、妻と子供たちが笑顔で迎えてくれた。

今晩の夕食はホットプレートで焼肉。妻が気を遣って私が好きな食材を買っておいてくれた。

こうやって毎日のように家族と食卓を囲んでいる父親もいることだろう。私の場合は月に数日だろうか。

家族とリラックスして過ごすことができる平凡な日常こそが本当の幸せだな。

平凡な日常を守らねば。

さて、完全に充電されたとは言えないが、心身共に随分と楽になった。明日から再び精進しよう。