2023/10/08

ミューレの両刃カミソリ「ROCCA」とクラシックシェービング

ミドルエイジクライシスや思秋期の真っ只中でノルディック・ウォーキングを始め、なるほどそうかと思ってクラシックな両刃カミソリを手に入れて顔剃りを始めた。両者の繋がりは後述する。50代が近くなると人生の残り時間が限られていることを実感し、まるで方向が分からない砂漠の上をひとりで歩いている感覚がある。

遠くを見渡すと、同世代のたくさんの中年男性たちも同じように彷徨いながら歩いていたり、立ち止まっていたり、凄まじい勢いでどこかに走って行ったり。若者たちのように互いの考えを共有することはなく、一部の中年男性たちは年甲斐もなくネットで自己をアピールし、その他の大勢はぼんやりと時の流れを眺めているように感じる。


思秋期の私は、まるで砂漠の上でGPSを起動させるかのように自分の位置を確かめようとしたり、自分が進むべきランドマークを探そうとしていた。しかし、そのような若い頃の目的論は役に立たない。流れ去る時間と留まることがない自身の老いへの戸惑いや焦り、将来への不安。それらがループを形成して自分を苦しめている。

ふとしたきっかけでウォーキングを始めて心身ともに楽になった。その取り組みの中で何となく気付いたことがある。それは、無理に生き甲斐や趣味を探そうとするのではなくて、「趣味と習慣の中間」のようなものを用意するだけで生き方が少しだけ変わるということだ。

趣味といえば趣味で、習慣といえば習慣。華やかさも他者からの関心もない地味なこと。それらをより多く用意することで単調な日々に波が生まれ、老いに対する抵抗感が減るような気がする。これらの趣味のような習慣のようなものは、職業人生をリタイアした後でも身近に寄り添ってくれるわけで、自分自身への投資のような意味合いもあるのだろう。

ある日のこと。長年使っていた電動シェーバーがくたびれてきたのでAmazonで同等品を探していたところ、検索候補の中に両刃のクラシックな髭剃りが提案された。昔ながらの両刃のカミソリをホルダーに取り付けて、顔にフォームやジェルを塗ってヒゲを剃るなんて趣味的な行為だと私は理解していた。

しかし、よく考えてみると、私が生きる上での苦しみの多くは朝に訪れる。目覚めた時点で生きることが面倒になる。騒がしい家庭、鬱陶しい住環境、醜い通勤地獄。身支度で鏡を眺めると、そこには生きる力を失いつつある老いた自分が映る。

朝の習慣として細やかな楽しみを用意することができないだろうかと思っていた私は、「理容店の顔剃りのような心地良さがあると何かが変わるかもしれない」と感じた。

趣味的な要素がある製品の場合、往々にして「沼」がある。生きることに疲れてきたというか、むしろ飽きてきた私にとっては、そのような沼があると逆に楽しく感じたりもする。離婚や離職といった人生のクライシスにダイブしたり、心身を壊して医療費を支払い続けるよりも低コストであり、風俗やギャンブルよりも健全だ。

ということで、両刃カミソリを使ったウェットシェービングを試してみようと思ったわけだが、どうやら想像以上に大きな沼の真ん中に落ちたらしい。

クラシックシェービングの沼の深さを実際の出費として例えると、大して深くはなさそうだ。沼の底に足が届く。

だが、沼の広さを選択肢の多さとして例えると、ここは湖なのかと感じるくらいに広い。自分に適したシェービング用品の組み合わせが何通りもあって答えが定まらず、向岸が見渡せない。ある程度のところで満足するとか、気に入ったセットを気分で変えるという楽しみ方もあるのだろうか。

クラシックな両刃カミソリは、趣味としてはシンプルだと思っていた。同じ規格で流通している両刃のブレード、それを固定するホルダー。そしてウェットシェービングで使うフォームやジェル。ブレードなんて材質も寸法も同じだろうし、ホルダーについてもよく似た規格なのだろう、泡やジェルなんてものは些細な違いしかないと私は侮っていた。

ところが、人の肌やヒゲの性質、心地良さには個人差があるわけで、それらに対応するクラシックなシェービング製品の組み合わせは無数にある。なるほど、これは趣味として成立する。久しぶりに楽しくなってきた。

最初に、クラシックなウェットシェービングを行うためには、両刃のブレードとホルダーが必要になる。自分に適した金属製のホルダーを見つけた後で、使い捨てのブレードを色々と試して楽しむというスタイルになるらしい。

ネットで検索してみると、ドイツのミューレ(MÜHLE)やメルクール(MERKUR)、日本のフェザー(FEATHER)、カナダのヘンソンシェービング(HENSON SHAVING)のクラシックレイザーが人気なのだそうだ。それらの多くは1万円程度もしくはそれ以上の値段で販売されている。

その他にも、数千円の金属製のホルダーが流通しているが、あまり評判が良くない。また、両刃のカミソリには安全装置なるものは存在していないわけで、失敗すれば顔が血だらけになるらしい。

初心者向けモデルとしては、ミューレのR89とメルクールの34Cが定番になっているそうだ。最近では、新興メーカーのヘンソンシェービングが市場に登場し、AL13というアルミニウム製のホルダーを販売している。

ヘンソンの製品は美しい上にマーケティングが巧みだと感じた。高額な製品だが購入してみようかという気持ちに誘導される。しかし、新しいメーカーなので現時点において質に見合った価格設定がなされているのかが分からない。

メーカーの販売戦略に引っ張り込まれたユーザー、あるいは何らかの意図があるユーザーがネット上で盛んに高評価を連投しているという可能性も否定しえない。加えて、私はアルミという材質が気に入らない。一生物といっても、せいぜい20年くらいの寿命ではあるが、できるだけタフな材質の道具を好む。

日本のフェザーはラインナップが少なく、「特撰」しか候補に挙がらないので却下。シェーバーが肌に合わなかった場合、同じメーカーの他のモデルを試すことができない。

そして、ジョジョ世代でもある私の頭の中には「ドイツは世界一ィィィィーーーーッ!」というフレーズが響く。オランダ人と並んでケチなドイツ人はタフな製品を好むので、アルミではなくて真鍮やステンレスでホルダーを作ることだろう。

結局、ホルダーを取り付ける専用のスタンドがあったり、ラインナップが豊富なドイツのミューレのシェーバーを選択することにした。

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写真の左側から、ミューレの「TRADITIONAL」、「COMPANION」、そして「ROCCA」と並んでいる。それぞれが同じような形なので同じような剃り心地なのだろうと思うかもしれないが、全く違う。

ミューレのTRADITIONALには、ブレードとホルダーの間隔が狭くて肌への攻撃性が低い「クローズドコム」と、ブレードとホルダーの間隔が広くて深剃りが可能な「オープンコム」という二種類のモデルが用意されている。「R89」と呼ばれることが多い前者はミューレの定番モデルとなっている。

R89のネット上の販売価格は税込みで6000円から7000円程度。1万円を軽く超える価格帯のシェーバーと比べると購入しやすい。

しかし、R89の人気があまりに高いからなのか、ミューレのCOMPANIONやROCCAについてネット上でレビューや評判、インプレといったキーワードを検索しても情報があまりヒットしない。仕方がないので、気になったモデルを手に入れて試してみることにした。

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このR89は真鍮素材にクロムメッキが施されており、名前の通りクラシックなデザインが維持されている。剃り味はとてもマイルドで肌への攻撃性が低い。ミューレ純正のカミソリ刃(ブレード)を使用している限りには、余程に肌が弱い、もしくは無理な使い方をしない限り出血することもないはずだ。

しかしながら、R89を使ったことがある人ならば分かると思うのだけれど、R89にミューレ純正のブレードを取り付けて顔を剃っていると、剃り心地がマイルド過ぎて物足りない感じがする。ヒゲの先端をパツンパツンと弾き、深剃りしたい箇所があってもブレードが届かない感じがある。理容店の顔剃りのような「シャリシャリ」とした満足感や爽快感が小さい。

両刃カミソリのホルダーは、ブレードが肌に当たる長さや範囲を調整しているだけでなく、ブレードそのものを湾曲させることで肌に接触する際の角度を調整している。

しかも、両刃のブレードは国内外を問わず同じ寸法で統一されているのだが、メーカーによって剃り心地が違う。おそらく、これらの相違は材質や厚さ、表面加工などによるものなのだろう。

ヘンソンシェービングのブレードは肌に対して柔らかく感じ、ミューレのブレードは中間的な感じがする。そして、フェザーのハイステンレスという銘柄のブレードは硬くて鋭いことで定評があり、他のメーカーのブレードと同じように扱うと顔から派手に出血することがある。

そして、剃り味がマイルドすぎるミューレのR89に剃り味が鋭いフェザーのハイステンレスを組み合わせると、肌への攻撃性を抑えつつ、それなりの深剃りができるということに誰かが気付いて、今ではこの組み合わせが定番になっているらしい。

実際に試してみたところ、確かに良い組み合わせだ。それなりに深剃りができて出血が少ない。

しかしながら、いくらブレードを工夫したとしても、R89では理容店の顔剃りのようなシャリシャリとした感じがしない。もう少し深剃りしたいと思って力を入れると肌が切れて出血しまくったりもする。

何だろうな。クラシックなウェットシェービングでは顔剃りの心地良さが大きな楽しみなのだが、これでは剃り心地を楽しめない。

この点については他の日本のユーザーも同じように感じており、より深剃りが可能なTRADITIONALのオープンコムのR41という製品も使ってみるという方向に進むことがあるそうだ。しかし、R41は肌への攻撃性が強すぎて、顔が切れて血だらけになることがあるらしい。まさに帯に短し襷に長し。

ということで、TRADITIONALと同じ価格帯のCOMPANIONという新しいモデルを手に入れてみた。ミューレのカタログを読むと、このCOMPANIONは男女兼用でヒゲやそれ以外の体毛までを幅広くカバーするモデルとして位置付けられている。

R89とCOMPANIONで交互に顔を剃ってみた。オッサンのヒゲを剃るという目的においては、何だか微妙だな。COMPANIONの良さがよく分からない。

COMPANIONを使った場合、ブレードの位置はR89よりも分かりやすい。だが、理容店のように重厚で爽快なシャリシャリ感がない。しかも、COMPANIONにミューレのブレードを使った場合には深剃りが足りない。

趣味で自転車に乗っている人たちは、空気抵抗や落車時の処置のために腕や足の毛を剃ることが多い。そのような用途ではCOMPANIONは便利だ。女性が無駄毛を除去する時にも肌への攻撃性が少ないことだろう。

しかし、COMPANIONはR89よりもマイルドな剃り味だとメーカーから紹介されているが、髭剃りとしてはむしろアグレッシブだと感じた。アグレッシブというよりも、力の入れ加減がピーキーと表現した方が分かりやすいかもしれない。体毛の場合には力を入れなくても楽に剃ることができるけれど、ヒゲの場合には深剃りしようとして力を入れ過ぎると肌が切れて出血することが多い。あくまで私個人の印象としては。

試しにR89の場合と同じくCOMPANIONにフェザーのハイステンレスのブレードを組み合わせて使ってみた。すると、剃り味がさらにピーキーになり、力の入れ加減が難しい。同じ箇所を何度か剃っているとすぐに出血し始める。

おそらくだが、COMPANIONというシェーバーは、風呂場に吊るしてシャワーのついでに腕や足の下を剃るという想定で設計されたのだろう。あるいは、女性がメイクの前に顔の産毛を剃るとか。

両刃カミソリを使ったウェットシェービングは確かに爽快で、電動シェーバーでは味わうことができない楽しさがある。朝にヒゲを剃ると夕方までチクチクしないという感触も素晴らしい。

しかし、ミューレのR89やCOMPANIONを使っていると、「惜しい、あと一歩....」という感覚がある。理容店の顔剃りのようなシャリシャリ感と深剃りがほしい。毎朝の洗面所で何だかモヤモヤするのは虚しく感じる。

昔から定番となっているクラシックなシェーバーには、大なり小なり同じような課題があり、それらを打破する存在としてヘンソンシェービングのAL13が登場し、とても売れているということなのだろうか。

ミューレのオンラインカタログを眺めていると、最近になってリリースされた「ROCCA」というシリーズが掲載されていた。ROCCAとはイタリア語で要塞とか岩石という意味なのだそうだ。ドイツのメーカーがどうしてイタリア語を使ったのか、その理由は分からない。

ドイツ語の要塞という意味であればFESTUNG(フェストゥング)という単語がある。戦闘機のように格好が良いネーミングになったはずなのだが、ミューレの方針が分からない。タフさや精巧さではドイツ、デザインではイタリアというこだわりなのだろうか。

ミューレのR89の実勢価格は6000円から7000円程度で、ROCCAシリーズは19000円から22000円程度。クラシックな両刃カミソリのホルダーに2万円という価格は高いように感じた。しかも、日本のユーザーによるROCCAのレビューが少ない。海外のユーザーのレビューもあまり多くない。

色々と悩むことが面倒になったので、ROCCAを手に入れてから必要に応じて悩むことにした。人生の残り時間は限られている。

R89の場合にはいくつかのカラーバリエーションが用意されており、それら全てにR89という型番が付けられている。

一方、ROCCAの場合には、カラーリングや素材によって型番が異なる。私が購入したのはROCCAのメタルカラーの「R94」というモデル。ハンドル素材にバーチバークを採用したR95やブラックカラーのR96というモデルもあるが、剃り心地や性能はROCCAシリーズで統一されているはずだ。

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ということで手に入れたROCCAのR94。配達された製品の箱を開けた時点で質感に圧倒された。まさにゲルマン民族の技と誇りがシェーバーに込められているように感じる。

R94の材質はフルステンレス。真鍮にクロムメッキを施したR89と比べて質感と重厚感がある。手に持った時の感覚もR89と全く違う。手動の髭剃りに2万円も使ってしまったけれど、ここまでタフな仕上がりならば、私が死ぬまでの残り20年くらいは問題なく使える。

使う前から性能が予想されるくらいの完成度だが、実際に使ってみると感嘆の声が出るくらいに剃り味が素晴らしい。R89とは全く剃り味が違う。

なんということだ。構造がシンプルなクラシックレイザーの性能をここまで高めることができるのかと、私は驚いた。

趣味でロードバイクに乗っている人たちであれば、クラリスの変速機をアルテグラに交換したくらいの違いと表現すると分かってもらえることだろう。テクトロのブレーキを105に交換したくらいの違いとも表現しうる。

普通の油性ボールペンを使っている人が高価な万年筆で文字を書いた感じ、あるいは普段からインスタントコーヒーを飲んでいる人がカフェでドリップコーヒーを飲んだ感じに似ているかもしれない。

ミューレの定番モデルであるR89と、新シリーズのハイスペックモデルであるROCCAを比べてどこが違うのかというと、デザインや素材、価格以外にふたつある。それらはまさに私の肌感覚だが。

最初に、R89では足りないと感じていた深剃りが可能になっている点。R89にフェザーのブレードを取り付けても、あまり追い込むと肌が切れて出血することがある。指先で肌を触れるとヒゲが残っているような違和感があったりもする。

他方、ROCCAの場合には力を入れなくても深剃りができる。追い込む必要がないので出血するリスクが小さい。また、これ以上の力を入れると肌が切れるという加減がよく分かる。一定の力で深剃りができなくなったら、新しいブレードに交換すると性能が戻る。当然だが、ブレードの交換の頻度はヒゲの濃さや使用回数に左右される。

次に、驚くべきことに、ROCCAを使うと理容店の顔剃りのようなシャリシャリ感を再現することができる。経験が足りない、あるいは雑な理容師の顔剃りよりも自分でROCCAを使って顔を剃った方が心地良かったりもする。おそらく、ブレードが肌に当たる角度や力加減をROCCAのホルダーが調整してくれているのだろう。

ROCCAを使用する際の私なりの注意点としては、ミューレ純正のブレードを使うこと。R89と同じ要領でフェザーのハイステンレスのブレードを取り付けると、サックリと肌が切れて出血することがある。肌が弱い人の場合には、ミューレのブレードよりも当たりが柔らかいヘンソンのブレードを使った方がいいかもしれない。

海外ユーザーによるROCCAのレビューでは人によって評価が分かれていたりもするが、この製品はブレードの種類を選ぶらしい。あくまでミューレ純正のブレードを使用するという前提で設計が至適化されているのかもしれないな。

R89を使っている時には、毎朝の洗面所で何ともモヤモヤした気持ちが生じていた。しかし、ROCCAを手に入れてからは毎朝の顔剃りが楽しくて仕方がない。仕事や家庭で色々とストレスがあっても、とにかく気持ちを切り替える儀式というか。

日用品にしても趣味品にしても、「スタンダードなモデルの3倍の金を出してハイスペックのモデルを手に入れたところで、3倍の満足感は得られない」という表現がまかり通っていたりもする。しかし、ミューレの両刃カミソリについては3倍のお金を出して、それ以上の満足感が得られた。

とはいえ、ウェットシェービングの初心者としてR89で慣れて、その後でROCCAを使ったからこそ移行が楽だったのかもしれない。あまつさえ、最初からROCCAを使っていたら趣味品の沼の楽しさがない。

ウェットシェービングの世界はシンプルに見えて深淵だ。現時点では気に入ったホルダー、そして当面は使えるブレードが見つかっただけ。両刃のブレードは多数のメーカーが販売しており、日本国内での流通がなくても海外通販で取り寄せることができる。

ミューレのROCCAはミューレ純正のブレードの使用をベースに設計されているはずだが、私の肌質により適したブレードがあるような気がする。

シェービング用の潤滑についてはいくつかの銘柄のシェービング用ジェルを試し、現時点ではフェザーのモイストジェルに落ち着いた。ウェットシェービングといえば潤沢な泡で顔を覆うというイメージがあるのだけれど、まだ初心者なので泡よりもジェルの方が状態が分かりやすい。

現役時代の朝は忙しいので余裕がないけれど、職業人生をリタイアした時にはシェービング用のブラシやマグを用意し、理容店のように石けんやクリームを泡立てて顔を剃ってみたいものだ。

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ROCCAはR89とデザインが異なるが、R89のスタンドや(携行用の)ブレードガードを取り付けることができる。

ROCCAをスタンドに取り付ける際には何ら問題ないが、ブレードガードは固定が緩い感じがする。ヒートガンやドライヤーで温めてブレードガードをきつめに変形させる必要があるかもしれない。

なお、COMPANIONもミューレの純正スタンドに取り付けることができるが、ブレードガードは緩すぎて固定することができない。

私の場合にはROCCAで全ての事が足りるということになり、その他の製品を封印することにした。他のメーカーの製品に目移りすることもない。沼といえば沼だったが、とても有意義な沼だ。

さて、趣味と習慣の間にある次の沼を探そう。