2023/06/11

ノルディックウォーキングに「バウンディング」を導入して負荷を高める

今年の2月からパワーウォーキングを始め、4月からウォーキングにノルディックポールを使うことにした。日本の場合、ノルディックウォーキングという運動は、高齢者の間で流行している杖を使った散歩という認識が広がっている。欧州では老若男女問わずエクササイズとしてノルディックウォーキングに励んでいるのだが、さすが極東にある島国だ。伝来の途中で何かが変わってしまったらしい。

ノルディックウォーキングは確かに全身運動であり、それなりの満足感がある。けれど、どれだけ頑張って歩いても息が上がるほどの心拍数の上昇はなく、重い筋肉痛がやってきたのは初日だけだった。ノルディックウォーキングは北欧におけるクロスカントリーのスキー選手の夏季トレーニングに由来するという話が日本で流布されているが、それは事実なのだろうか? 私は疑問に思った。ノルディックウォーキングは、アスリートのトレーニングとしては負荷があまりに少なく、そもそもスキーの足の動作が含まれていない。これはおかしいだろと。


ポールを使って歩く運動がノルディックウォーキングだとすると、ポールを使って走ることもできるのではないか。だとすれば、ノルディックランニングという運動があってしかるべきだ。

だが、「ノルディックウォーキング ランニング」とか「ノルディックウォーキング 走り方」といったキーワードで検索しても、私が知りたい情報がヒットしない。

日本では主に若者を対象としてポールを使いながら全力疾走で坂を駆け上がるというノルディックダッシュというスポーツがあるらしい。しかし、これは無酸素運動に該当するのだろう。登山の際にポールを持って駆け上がるスカイランニングとよく似ている。

未舗装のトレイルを走るトレイルランニングにおいてもポールを持って走ることがあるけれど、何かが違う。ポールを使用するトレランはスキーヤーの陸地トレーニングというよりも、ポールで身体を補助しながら悪路を走るというスポーツだと私は理解している。

このようなポールワークではなくて、スキーヤーの陸地トレーニングにおいて実際に行われていた、あるいは現在でも行われているノルディックウォーキングのジョギング版のようなエクササイズがあるのではないか。

スキーヤーは競技としてスキー板に乗るので、そもそもジョギングとかランニングという名前ではないかもしれないが、ノルディックスキーと同程度まで心拍数が高まり、より大きな負荷がかかるポールを使った雪のない陸地でのトレーニングがあるような気がしてならない。

また、ノルディックウォーキングが日本のシニアで流行し、若い人たちの間で流行しない背景には、競技性のなさだけではなくて、負荷の軽さが関係しているのではないか。高齢者が集まって楽しそうに歩いている姿を否定しないが、より若い人たちが高齢者と同じ内容のノルディックウォーキングを行うと、負荷が軽すぎて運動した気がしない、あるいは退屈でつまらないと感じてもおかしくない。

案の定、海外の英文のコンテンツを色々と調べてみると、日本で金太郎飴のように広がっているノルディックウォーキングの起源は、その一部だけが切り取られていることが分かった。

つまり、日本で「これがノルディックウォーキングだ」と説明されている運動が、クロスカントリースキー選手の夏季トレーニングと同義だと考えることは正しくない。

その情報がどこで切り取られたのかは分からない。日本に伝わる前の欧州において情報が加工されたかもしれないし、このウォーキングを日本に持ち込んだ人、あるいはそれを広めた人たちの理解が偏っていたのかもしれない。

現在のノルディックウォーキングの方法が絶対的な完成形のように広める人たちがいて、それを鵜呑みにして信じてしまう人たちがいる。とりわけ、団塊世代を中心としたシニアの人たちは真面目で集団心理が強く働くように思える。インストラクターが言うのだから間違いないだろうと。その傾向はテレビが報じている内容を信じてしまう姿に以下略。

インラインスケートやローラースキーが開発される以前、スキーのノルディックの選手たちは、両手にポールを持って歩くだけではなくて、スキー板の上に乗って蹴り出すようなステップを踏んで前に進んで筋力や心肺を鍛えていた。

負傷した選手であればリハビリとして歩いていたかもしれないが、スキーヤーの陸地トレーニングは負荷が高いエクササイズであり、それを一般の人でも楽しめるように負荷を減らしたものがノルディックウォーキングと解釈しうる。

そして、ノルディックウォーキングとして一般に普及する以前のスキーヤーたちのガチトレーニングは、ノルディックスキーウォーキングと呼ばれることが多い。

この場合、歩くだけでなく、ポール使用時にクロスカントリースキーの動作が含まれる。

やはりそうか。おかしいと思ったんだ。一般的なノルディックウォーキングだけでクロスカントリースキーの陸地トレーニングの条件を充たすはずがない。


Nordic Ski Walking

このYouTubeの動画の15:03くらいから始まる光景に、私は心を奪われた。

素晴らしい。まるでウサギのようだ。

この動画のように、2本のポールを自由自在に操りながら駆け足で進んでみたいという気持ちになった。

ノルディックウォーキングという定義であれば、2本のポールを手に持って「歩く」という認識が私にあった。しかし、「このまま走ったらどうなるのだろうか?」という疑問を感じていた。

やはり、欧州という本場では、クロスカントリー選手の陸地トレーニングとしてポールを持って「歩く」だけではなくて、「跳ぶ」というアクティビティが存在していた。

実際のスキーでは足に板を取り付けているので、陸地トレーニングにおいても足の動きは普通のランニングとは異なる。その姿は、まるで雪上でスキー板を付けたまま前方にピョンピョンと跳びながら進むような駆け足だ。

彼らが主に登り坂でこのトレーニングを行うのはなぜだろうかと考えてみると、やはり足にスキー板を取り付けているからだろう。下り坂は板に乗って滑るので動作が違うという理解になる。

スキーヤーたちは、このポールを使った跳走のことをランニングとは呼ばず、「バウンディング」とか「ストライディング」あるいは「バウンディング ストライド」と呼んでいるらしい。この録では総じてバウンディングと呼称する。

なるほど、この場合の跳走はノルディックランニングという表現ではなくて、ノルディックスキーウォーキングにおけるバウンディングというテクニックに該当するわけだな。

それにしても、この動画のようにポールを持ったまま駆け足で前に進むことができれば、何と面白いことだろう。

同時に、「常識を疑う」ということの大切さを再認識した。日本ではシニアを中心としてポールを持ったまま歩くというノルディックウォーキングが定着している。この運動を普及させようと頑張っているNPOがあったり、民間資格ではあるけれど、公認指導員という肩書きがあったりもする。

高齢化が進む日本の社会において、シニア層の存在感は大きい。行政がノルディックウォーキングの普及に取り組んでいることからも明らかな通り、高齢者の健康の維持や孤立の回避という点でも意義がある。だが、和風のテイストが付加された不文律に私が従う道理はない。

かくして、日本で行われているノルディックウォーキングが「スキーのクロスカントリーの選手たちの夏季トレーニングに由来している」という決まり文句は、私の理解の範囲内ではパーシャルな説明だという結論に至った。

私は中学時代や高校時代は陸上部に所属していた。助っ人でバスケ部の練習や試合に出ていたりもしたが、いわゆるアスリートだったわけだ。陸上と同じ、あるいはそれ以上にハードなスキー選手のトレーニングをシニアが健康運動として行っていること自体が不可思議だ。負荷が違いすぎるだろと。その謎がようやく分かった。

どうやら、世間一般にノルディックウォーキングと認識されている運動は、それ自体がアスリートのトレーニングというわけではなくて、負荷の強弱が異なる運動を組み合わせたインターバルトレーニングの休憩部分に相当するらしい。陸上競技で表現すれば、全力疾走した後で緩やかに走りながら休憩し、心拍数が戻ってきた後で再び全力疾走するというトレーニングがある。

その休憩あるいはウォーミングアップに該当する部分がノルディックウォーキングとして抽出され、一般に広がったと理解すると矛盾がない。

では、そのトレーニングにおいて、休憩ではなくて高強度の運動に相当する部分は何か。それが、クロスカントリースキーでのバウンディングを模した動作だったわけだな。まあ普通に考えればその流れになるだろう。

例えばサイクリングの場合、常に高い心拍数を維持しながら走ることもあるけれど、心拍が高くなり過ぎたところでペダルを止めて慣性で進み、心拍が落ちてきたところで再びペダルを回すという乗り方があったりもする。

私がノルディックウォーキングを楽しんでいて足りないと感じたのは、心拍数を上げる高負荷な部分だった。あのテンポをバウンディングによって実行することができれば、より効率的なトレーニングが可能になる。

さらに興味深いことに、陸上競技のバウンディングの場合には、大きく弾みながらストライドを伸ばし、前方に跳躍しながら進むトレーニングを意味している。その姿は、スーパーマリオが頭上のブロックを壊す時のジャンプに似ている。斜め上に向かってジャンプしながら進む感じ。

しかし、陸上競技のバウンディングとスキー競技のバウンディングは似ているようで違うらしい。スキー板を引っ張りながら前方に跳ぶイメージだろうか。

なるほど、ノルディックウォーキングにこのテクニックを導入することで、より高負荷のトレーニングが可能だと思った私は、引き続きYouTubeで動画を探した。

日本人が投稿しているノルディックウォーキングの動画は、まるで金太郎飴のように同じ内容ばかりで、バウンディングについては全く参考にならなかった。海外からの動画の投稿が役に立つ。


Nordic Walking / Jumping / Running - prezentuje Aleksander Wilanowski.

この動画は何だか私のイメージと違う。ノルディックウォーキングにおいて前方に体幹を傾けるテクニックがあることは知っているが、もの凄い前傾姿勢だな。陸上競技の経験者としては、腰の位置が下方に沈んでいる点も気になる。

ポールを持ったバウンディングというよりも、これはランニングではないか。もの凄い気合で全力疾走しているが、スキー板を足に付けてこの動作をすることが可能とは思えない。

それと、登場人物のルックスが気になる。どこかの姫君を連れて鬼メンタルを発揮した人物に似ている気がしてならない。

これはノルディックウォーキングの派生形であって、本来のノルディックスキーウォーキングではないと思ったので、再びYouTubeで探すことにした。


Practising a Bounding Stride | Nordic Walking

動画のタイトルとしては、まさにドンピシャなテーマではあるけれど、このフォームも私のイメージと違う。バウンディングというよりもランニングだな。トレイルランニングのスプリント版というか。

勢いが激しすぎる。どうして彼はここまでガチ走りでダッシュしているのか。相当に鍛え上げた肉体でないと、このフォームは難しいことだろう。ピョンピョンと軽快かつ小刻みに跳ねる感じがない。

彼のような勢いで私は何秒間にわたって走り続けることができるだろうか。三番瀬沿いの遊歩道で犬に追いかけられた時、あるいは突然の下痢が襲ってきた時ならば頑張ることができるかもしれない。

だが、普段からランニングを行っていない私が真似をすると、一撃で膝や足首を痛めるような気がする。現に登場人物は隣に舗装路があるにも関わらず芝生の上を走っている。スキンヘッドがガチ感をさらに高めている。

そもそも、クロスカントリーのスキーヤーがこのようなピッチで駆け跳ねるとは到底思えない。

私が気になっているのは、オリジナルのスキーヤーの陸上トレーニングがどのような形だったのかという点だ。この動画の場合には、もはや原形を留めていないように思える。さらに動画を探す。


Nordic Walking - la tecnica di Pino Dellasega

登場人物の言語が英語ではないので何を言っているのか理解することができないけれど、3:03くらいから始まる駆け足は、先の2つの動画よりも私のイメージに近い。しかし、ノルディックスキーウォーキングではないように私には思える。どうしてこの人たちはノルディックポールを握ってガチ走りするのだろう。

それにしても彼の胸板は分厚い。全身がマッチョ過ぎてポールによる補助が必要なのかどうかも分からない。

彼のバウンディングはスキーヤーのトレーニングとしては歩幅のピッチが速いように感じる。だが、この動作をゆっくりやればいいと思った私は、善は急げと言わんばかりにクッションが分厚いランニングシューズをAmazonでポチり、意気揚々と浦安市内の三番瀬沿いの遊歩道に行き、ノルディックウォーキングのバウンディングストライドを試してみることにした。

10km程度のウォーキングでバウンディングストライドを何度も試したのだが、ネット動画のように跳ねながら駆けることができない。

具体的には、ポールの長さが足りなくて腕の力が地面に伝わっていない。これは困った。

ポールの長さはノルディックウォーキングにおけるセオリー通りに調整が済んでいる。自分が直立してポールを垂直に持った時、肘が直角になる程度のポールの長さがノルディックウォーキングに適しているそうだ。その通りにポールを調整している。

なるほど、ノルディックウォーキングのスタイルのままでバウンディングを行おうとすると、ポールの長さが足りなくなるということか。足裏が常に着地しているウォーキングと比べると、バウンディングの場合には空中を跳ねているわけで、物理的なポールの長さが足りないということだな。

冒頭に見つけたチョンマゲのお兄さんが、どうして前のめりで腰を沈めたまま腕を下げてバウンディングを行っていたのか、もしくは他二名のマッチョなおじさんたちが、どうして気合を入れて必死に走っていたのか、その理由が分かる。

ノルディックウォーキングで定番となっているポールの長さで走った場合、腕とポールの合計距離が足りなくなってしまうので、身体の位置を地面に近づけながら走っているわけだ。普通に走るよりも筋力が必要になるのだろう。

また、教科書的なノルディックウォーキングでは、地面を突いてからポールを後方に流し、ポールから手を離すというフォロースルーのような動作が推奨されている。大きくストライドを伸ばしたウォーキングであれば、このタイミングでも左右の手が前に戻ってきて、ポールで地面を突くことができる。

ところが、このフォロースルーを走りながら実行しようとすると、手が前に戻ってくる前に足が着地してしまう。そのため、ウォーキングの時よりも腕に力を入れて前方に腕を振り上げないと足のタイミングに合わない。

さらに、足のストライドを伸ばして前方に跳ぶことで手のタイミングと調和させようとすると、結果として腕の力を抜くという通常のランニングのフォームが崩れ、その一方で歩幅の長いスプリントのダッシュになってしまうことだろう。

そもそもこのフォームが、クロスカントリースキーヤーの陸地トレーニングだったのだろうか?

チョンマゲのお兄さんやスキンヘッドあるいは胸板が分厚いおじさんのバウンディングは、クロスカントリースキーというよりも、ノルディックウォーキングのテンプレートをランニングに当てはめた形ではないだろうか。彼らのようなマッチョでないと実行は難しい。

これは困った。日本語のサイトどころか、海外のサイトであっても、ノルディックウォーキングでバウンディングストライドを行う時のポールの長さが紹介されていないようだ。垂直方向でポールを立てた時、肘が直角になるという条件ではポールの長さが足りない。かといって、その目安も分からない。

八方塞がりになった私は、バウンディングストライドを紹介しているノルディックウォーカーではなくて、ノルディックウォーキングを紹介しているスキーヤーの動画を探すことにした。スキーの陸上トレーニングとしてポールを使っている人であれば、バウンディングの方法をより分かりやすく説明してくれるかもしれない。


EXCEL SKI WALK:BOUND

随分とスマートで上品なスキーヤーだな。彼が貴族の出身だと言われても信じたくなる。しかも、説明が非常に上手い。私はスキーの経験がないけれど彼の話を聞くとノルディックウォーキングの背景がよく分かる。

そう、これなんだ。「このようにポールを使って跳ねてみたい」と感動した冒頭の動画とバウンディングのスタイルが非常に似ている。しかも、スキーヤーの陸上トレーニングにおけるポールワークについて、とても分かりやすく説明してくれている。

なるほど、ノルディックポールを使ったバウンディングとは、そもそも陸上競技のバウンディングではなくて、スキー競技でのバウンディングという意味だったのか。

このスキーヤーのバウンディングの場合には、その内容がよく分かった。ノルディックウォーキング用またはトレッキング用のポールを長めに設定する、もしくはスキー用のポールをそのまま使うこともあるらしい。

それにしても、「自分の脇に届くくらいの長さ」という、ポール長の目安は分かりやすい。

ノルディックウォーキング用のポールの長さと比べると10cm以上は長い。直立してポールを立てた時、腕が直角になるどころか鋭角になっている。

これくらいの長さのポールを使って、上ではなくて前に跳ぶということなんだな。

ということで、自分が有しているノルディックポールの中で130cmという長さまで伸ばすことができる製品を手にして、再び三番瀬沿いの遊歩道を訪れた。ノルディックウォーキングで130cmの長尺ポールを使う人は希だろう。ポールを立てて腕が直角になるくらいの身長というと190cmくらいになるはずだ。

しかし、ポールの先端(チップ)が滑らない状況であれば、長尺のポールを使うことでウォーキングではなくバウンディングを行うことができることに気が付いた。スキーヤーのアドバイスは非常に有用だな。説明通りにバウンディングが成功した。

なるほど、ノルディックポールを使ったバウンディングの要領が分かってきた。先程のマッチョなノルディックウォーカーたちのように身体を強張らせなくても自然に手足が動く。そうか、ポールの長さが重要だったのか。

加えて、ポールが腋の下に届くくらいに長いと、ノルディックウォーキングに特徴的な後方への腕の振り出しやポールから手首を離すというフォロースルーを行うことが難しくなる。ネット動画でも説明されていたが、バウンディングでのフォロースルーは最小限に留めて、ランニングの場合のようにコンパクトに腕を振ることで自然とポールが足の動きに調和する。

この場合、マッチョなノルディックウォーカーたちが必死に走っていたような足の歩幅は必要なく、スロージョギングのように軽く跳ぶ感じで前に進むことになる。先の動画と同じようなフォームになった。

陸上競技ではなくクロスカントリースキーの場合には、跳んで着地した後は雪上を滑るので、無理にストライドを伸ばす必要がないというわけか。

そして、インターバルトレーニングでバウンディングを取り入れてみると、短い時間で心拍数が上がり、汗が吹き出てきた。そう、通常のノルディックウォーキングでは負荷が足りないと思っていた部分をきちんと補うことができるようになった。これは楽しい。

楽しいけれど、この運動は厳しい。ケイデンス100を超える勢いでペダルを回し続けた時のように一気に心拍数が上がり、足だけでなく腕や肩に負荷がかかる。そう、スキーヤーはこのようなタフなトレーニングを行っているはずなんだと実感しつつ、長くは続かないのでインターバルを細かく回すことにした。変動はあっても、常に心拍数を120以上で維持するイメージ。そう、これがいい。

翌日、太股と肩がバキバキの筋肉痛になり、とりわけ太股の筋肉痛は1週間近く続いた。スクワットをしながら歩いているような感覚だな。常に走り続けるランニングと比べれば膝へのダメージが少ないはずだが、なかなかの筋肉への負荷だ。

バウンディングを導入することで、シニアの間で流行している健康運動としてのノルディックウォーキングと一線を画すことができた。

浦安の新町の海沿いでバウンディングを行うと、「こいつ、何やってんだ?」というランナーたちからの視線が痛い。しかし、荒い息を吐きながら崩れたフォームで走っている同世代のオッサンたちよりも、バウンディングで自分の心拍を調整しながら涼しい顔でトレーニングしている方がずっと洒落ていると私は思ったりもする。

ノルディックウォーキングにバウンディングを取り入れる際の(自分なりの)理解は、下記の通り。

【1】腋の下を目安として、ノルディックウォーキングの場合よりも10cmくらい長いサイズのポールを使用する (ポールが短いと前傾姿勢になり過ぎたり、腰が落ちて跳びづらくなる)

【2】ランニング用の厚底シューズを履く (ウォーキング用のシューズで跳ぶと膝や足首に衝撃がかかりすぎる)

【3】スロージョギングのペースで小刻みに跳ぶ (通常のノルディックウォーキングのように意識して歩幅を伸ばす必要はない)

【4】後方への積極的なポールのフォロースルーは不要 (ランニングの要領でコンパクトに腕を振り、ポールが後方に向かった時にポールから軽く手を離す程度)

【5】ポールで地面を突いた後は、雪に刺さったスキーのストックを引き抜くように腕を振り上げ、ノルディックウォーキングの場合よりもポールを垂直方向に立てた状態で地面を突く (この動作によってポールに身体が引き寄せられて前方に進みやすくなる)

【6】心拍数が上がってきたらウォーキングに戻す (最初から最後までバウンディングで進むのではなく、インターバルトレーニングの一環として組み込む)

先の動画のマッチョたちのようにノルディックウォーキングのフォームで走ろうとすると無理がかかる。スキーヤーの陸地トレーニングまで歴史を遡ると、思ったよりも分かりやすく答えが見つかった。

ただし、これがバウンディングストライドなのか素晴らしいではないかと調子に乗っていると膝を壊すような気がしてならない。三番瀬沿いの遊歩道はウレタン舗装されていて衝撃が吸収されるので、無理をせずに細かくインターバルを回すことにした。