2023/05/05

自宅のすぐ近くにウレタン舗装されたウォーキング・ジョギングのコースがあるという好立地

地元の不動産業者や政治家、個人投資家の中には、「新浦安は東京まで20分の好立地!」とアピールしている人がいる。言いたいことは分かるけれど、地域住民としては好立地かどうかは分からない。鉄道や街中にディズニー客が押し寄せる通勤は精神に大きなダメージを生じる。そもそも自宅から新浦安駅まで徒歩で20分以上かかったりもする。

しかし、ジョギングやウォーキングが趣味という人にとっては、浦安市の新町エリア、とりわけ日の出地区は好立地だ。これだけ浦安住まいを嫌っている私が言うのだから間違いない。なぜなら、海沿いの護岸に沿ってウレタン舗装された遊歩道が数kmにわたって伸びているからだ。自宅の裏に常設コースがあると理解しても矛盾がない。


学生時代に陸上選手だった人たちから考えると、大きな陸上競技場あるいは都市部の幼稚園や小学校のグラウンドならばともかく、街の歩道が数kmにわたって全天候型トラックのように舗装されていると聞くと、ドン引きするかもしれない。

私も初めてこの場所を訪れた時にはドン引きした。これだけの長さ、しかもこれだけの幅でウレタン舗装を施工するなんて、凄まじい金がかかったことだろう。かつては日本トップの財政力を有した浦安市の金遣いは凄まじい。

中高年になってくると、ジョギングで膝や足首、腰を痛める人が多い。走るたびに足先を硬いアスファルトにぶつけているわけだから、相応の衝撃を受ける。

ジョギングシューズあるいはランニングシューズには様々なクッション素材が用いられているが、それでも中高年にとっては身体への負荷が大きい。

オッサンになっても元気に走り回っているランナーをしげしげと観察すると、中年太りとは無縁なくらいに身体が絞り込まれていたりする。なるほど、体重が軽ければ足への負荷も小さいということか。

しかし、30代になって育児が大変で運動する時間がなくて太ってきたとか、40代や50代になって人間ドックでメタボ判定されたとか、そのような人たちにとっては痩せるために走るわけで順番が違う。

シューズではなくて道全体をクッションで覆ってしまえば、身体への負荷は減る。ということで、浦安市の新町エリアの海沿いの歩道をウレタン舗装によって覆ってしまおうという発想になったらしい。

なんてことだ。

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浦安市民であればすぐに分かる光景だが、海沿いには護岸があり、写真に向かって最左側にアスファルトの細い歩道がある。普通の護岸であればこの歩道が通行帯になるが、あまり使われない。スケートボードに乗った若者とか、自転車に二人乗りしたカップルとか、三番瀬に貝を採りに来た中国語を話す人たちとか、まあそういった人たちが護岸の真横を通行している。

そして、紐の柵と少しの緑がある部分の右側、写真に向かって中央付近にある灰色のレーンはアスファルトの道路になっている。このレーンは自転車通行用で、普通のアスファルトのように見える。

ただし、サイクリストでもある私の視点でこの自転車レーンを観察すると、これは普通のアスファルトの路面というよりも自転車専用に至適化されているように感じる。

自転車のタイヤと自動車のタイヤは幅も性状も全く異なる。この路面は自転車の細いタイヤであってもグリップが利くように粒のサイズや荒さが調整されているはずだ。クリテリウムレースの直角コーナーやヘアピンコーナーであれば、ロードバイクを傾けた時に車体が滑りにくいのでよく分かることだろう。

このような直線の場合、余程に剛脚なサイクリストが踏み込んでスプリントをかけない限り実感しえないかもしれないが、試しにシティサイクルで急ブレーキをかけると分かる。タイヤが一気に削れながら急激に減速する。このアスファルトの路面は、それくらいにグリップ力を高めているように感じる。

しかも、数kmにわたってアスファルトの継ぎ目や大きな凹凸がほとんどない。路面の水捌けまでを考えて、かなり金をかけて丁寧に施工したことがよく分かる。ただし、グリップが高くて滑りにくいだけに、この路面で転ぶと肘や膝が大根おろしになってしまうだろうから、落車には気をつけたい。

この自転車レーンと最右側の防風林との間にある茶色のレーンは、主に歩行者用の道路であり、アスファルトの上にウレタン舗装がなされている。

陸上競技の経験者であれば知っているかもしれないが、ウレタン舗装には主に2種類があって、①全てウレタンで構成されているフルウレタン舗装、および②細かく砕いたゴムチップをポリウレタン樹脂で固めたゴムチップウレタン舗装がある。

浦安市の海沿いのウレタン舗装には、かなり粒が細かなゴムチップが使用されているらしく、走っていてもシューズの爪先に引っかかるという感覚がない。また、ゴムチップ自体が硬めなのか、現在では劣化が進んでいるのか、陸上競技場のタータントラックのように足が弾かれるような不快感もない。

アスファルトの路面を走っているような感覚なのだけれど、足の疲れが明らかに少ない。試しに途中で自転車レーンを走ってみると、ガツンガツンと足に衝撃がやってくる。

ジョギングではなくてウォーキングの場合にはどうなのかというと、やはり足への衝撃が小さくて疲れや痛みが少ない。

「ああ、たぶん、あの人は普通の歩道だと足を痛めるだろうな...」というフォームのオッサンが必死に走っていても、ウレタン舗装だから何とか続けられているのだろうなと思ったりもする。

では、2本のポールを使ったノルディックスタイルのパワーウォーキングの場合、ウレタン舗装されていると助かるのかというと、確かに助かる。

ノルディックポールの先には、「チップ」と呼ばれるゴム製のキャップが取り付けられていて、この部分で路面を突きながら前に進む。

チップには様々な種類があり、路面や傾斜に合わせてチップを変更したり、砂礫が多い路面ではチップを外して金属製のポールの先端を使ったりもする。

ウレタン舗装の路面をノルディックウォーキングで進む場合には、幅が広くて硬めのチップが適しているらしい。LEKIのパワーグリップのように細くて柔らかいチップを使うとポールの先端が弾かれるような感覚がある。

チップについては別記するとして、ノルディックポールでアスファルトの路面を突くと、ガリッという小さな振動が手首に伝わる。まあそれも心地良かったりするが、ずっと歩いていると手首が疲れてきたりもする。

しかし、日の出地区の遊歩道のようにウレタン舗装された路面では、明らかに手首のストレスが少ない。何か特殊な加工が施されたノルディックポール用のチップを使っているような不思議な感覚がある。

変化に富んだウォーキングコースとしては、千葉市内の海浜大通りの方が楽しいかもしれないが、この付近の歩道はアスファルトが主体であり、所々に亀裂が入っていてノルディックポールの先が引っかかったりする。当然だが交差点で信号待ちがあったり、歩道が途切れて陸橋に上がったりもする。

海浜大通りでは大型のタイルに覆われた歩道があり、この付近ではノルディックポールの先が滑って力が入らないことがある。

加えて、冗談ではなく本当の話だが、海浜大通りでウォーキングを楽しんでいると、ZOZOマリンスタジアムで千葉ロッテの試合を見に来た野球ファンの大群に巻かれることがある。千葉ロッテが勝った時には気が楽だが、ボロ負けしたであろう時には野球のユニフォームを着たファンたちが殺気立っている。

他方、浦安市の日の出地区の遊歩道の場合には、路面はウレタン舗装でクッション性があり、昼も夜も人通りが少なく、もちろんだが交差点や信号もない。夜間でも街灯が並んでいるので、ランナー用のライトを付けていれば誰かにぶつかることもないことだろう。

そもそも私は日の出地区に住んでいるので、自宅から少し歩くだけで辿り着く。まさに好立地だ。

辛い辛いと生きていても、何か楽しくならないかと工夫して生きていても、過ぎ去る時間の長さは同じだ。

三番瀬沿いの日の出地区の遊歩道の端から総合公園まで往復すると、合計で6km程度だろうか。このコースを二週回すると12kmになり、日々のノルディックウォーキングとしては十分な負荷がある。忙しい時や時間がない時には6kmを歩いてもそれなりの満足感があり、ガッツリと歩きたい場合には三周回で20km近く。

誰もいない道をずっと歩き続けていると暇になるかもしれないが、ちょうど良いタイミングでサイクリストやランナーやウォーカーたちとすれ違うのでアクセントになる。たまに全力疾走で何周もコースを往復している中年男性のランナーがいたりもして、一体、どのような体力なのかと驚いたりもする。

せっかく税金をかけて作った施設なので、357号線から北側の人たち、とりわけ元町エリアの人たちも日の出地区にある遊歩道でのスポーツを楽しんでほしいと思ったりする。

ご存じかもしれないが、ランやウォークでこの場所にアクセスする場合には、猫実地区から美浜地区を抜けて三番瀬沿いからスタートすると楽だと思う。途中で疲れたら総合公園からバスに乗って新浦安駅経由で元町に戻ることができる。

自転車でアクセスする場合には、総合公園の駐輪場に自転車を停めて、墓地公園を回って三番瀬沿いの端まで行き、そこから往復して戻ってくるコースになることだろう。

新町エリアの公園の公衆トイレは清掃費の割にあまり綺麗ではないので、たくさん並んでいるホテルのトイレを借りると清潔で快適だったりする。

ホテルの宿泊客がジョギングの格好で付近を走っていたりもするし、まあこれも地域貢献だから大目に見てよということで、浦安市民である私は特に気にせずに堂々とホテルに入ってトイレを使っていたりもする。

何より、日の出地区の遊歩道の最大の特徴として、ノルディックウォーキングに励んでいても、奇異の視線が全くやってこないことだ。

千葉市内の海浜大通りを歩いていると、交差点で自動車のドライバーがガン見してきたり、自転車で追い抜いていった中高生の男子からクスッと笑われたり、殺気立った千葉ロッテのファンに巻かれたりする。とりわけ、千葉ロッテのファンは凄まじい。

日の出地区の遊歩道の場合、ノルディックポールを持って歩いている人は希有だけれど、すれ違った人たちが全く見てこない。

真っ昼間に護岸の近くでヨガマットを広げてストレッチをしながら瞑想している人がいたり、ウィンドサーフィンのボードを持って歩いている人がいたり、いやそれほとんど放し飼いだろうという長距離レンジで犬を散歩させている人がいたりもする。

私は以前、中町エリアの美浜地区に住んでいたので実感していたが、新町エリアに足を踏み入れると何だか奇妙な違和感があった。金持ちがたくさん住んでいるのだろうとか、他の地区から来た人を警戒するのではないかとか。

金持ちでなくても新町に住んでいる人は珍しくないし、そもそも新町の住民は他者に対して関心がない人が多い。自分のメリットやデメリットに関係するとシビアになることがあったり、SNSでは多少変わった人がいたりもするけれど、基本的にはドライなので深く関わらなければ大丈夫だ。

むしろ、ここまでノルディックウォーキングに適した街は珍しいかもしれない。その割に利用者がとても少ないのでもったいない気がするし、ほぼ貸し切りという環境で得した気分になったりもする。

全日本ノルディック・ウォーク連盟の公認指導員の資格を取って、浦安市内でノルディックウォーキングのサークルを立ち上げたら、たぶん人が集まるのだろう。

以前に立ち上げたロードバイクサークルの時にはオッサンばかりが集まってしまったが、ノルディックウォーキングの場合には、ダイエットを目的とした同世代あるいはより若い女性の人たちが集まるのだろうか。

いや違うな。シニア世代が一斉に集まってしまう気がする。ひとりで黙々と歩くことにしよう。