2022/07/03

AZのパーツクリーナーとEVERSのチェーンスプレーという良き巡り合わせ

世の中は暗くて鬱陶しい情報で覆われている。振り払ってもまとわりつき、さらに積み重なる黒い不快感。真面目に生きているだけじゃないかと憤ったところで解決しえない不条理さ。まるで自転車のチェーンの汚れのようだ。

私が世の中を変えることは不可能だが、チェーンの汚れを落とすことは可能だ。昨日から続くKDDIの大規模通信障害によってサイクリングに出かけるという些細な楽しみを奪われた私は、「この○○野郎」という怒りの感情を抑えて「たまにはデジタルを控えることも大切だな」というオッサンの余裕でミニベロのチェーンを掃除することにした。


自転車のチェーンの掃除では、汚れを落とすためのディグリーザー、およびその後で使用するオイルがひとつのセットになる。これらの組み合わせはサイクリストによって無数に存在していて、最適解はない。ちょうど良い機会なので、以前から試してみたかったセットを使うことにした。

それにしても、今回のKDDIの大規模通信障害は、東京都多摩市にある同社の通信拠点「多摩ネットワークセンター」において、コアネットワークのルーターを交換している際に生じたそうだ。

気になるのは、そのルーターに不具合が生じた原因が現段階で不明ということ。初期不良であってもアレなことだが、外部からの攻撃によって不具合を起こしたのであれば背筋が寒くなる。

さらに気になるのは、多摩ネットワークセンターのコアネットワークに不具合が生じたことで、日本全体のau回線が一斉にダウンしたという脆弱な体制だ。

素人的な考えとしては、全国に影響が及ぶようなシステムには常にバックアップを用意していると思っていたが、想定外で済まされる話でもない。

今回の事故によって日本の弱点が露呈したことは間違いない。悪意ある人たちの標的にならないように速やかな対応が必要になる。

KDDIは内部留保を何兆円も溜め込んでいるので、今回の補償金が数百億円になっても大したダメージにはならないことだろう。このような事態が二度と生じないように徹底的な行政指導を求む。

我が家はau回線に100%依存しているので、ソロのサイクリングで道が分からなくなったらフリーWi-Fiを探すかコンパスを頼りに進むことになる。落車して動けなくなれば、その場を通りがかったドコモやソフトバンクのユーザーに助けを求めるしかなくなる。

このような時は、家から出ずに大人しく自転車いじりに没頭した方がいいだろう。

私が使うau回線については速やかに解約し、docomo回線に切り替えることにした。

私はauショップに怒鳴り込むような原始的なオッサンとは違う。気に入らなければ切り離すだけ。極めて大人の対応だ。とはいえ、ドコモも以前に同じような事故を起こしたが、世帯全体でリスクを分散しておこう。

さて、自転車のチェーンのメンテナンスにおいて、ディグリーザーとオイルの組み合わせは無数にある。これまでの私はパークツールのディグリーザーとシマノのチェーンルブを使ってきた。

チェーンにはミッシングリンクやクイックリンクといったパーツを組み込んで、車体からチェーンを取り外すことができる。だが、最近ではディグリーザーを使わずにウエスやペーパーで汚れを軽く拭き取って、その上にチェーンルブを垂らしていた。

パークツールに限った話ではないが、ディグリーザーはそもそも高価であり、樹脂パーツへの攻撃性があったりもする。使った後の廃液の処理も面倒だ。また、シマノのチェーンルブはすでに廃盤になったようで、そのストックもすでに底をついて残量もわずか。

ということで、自分なりの新しい組み合わせを試してみることにした。

まず、ディグリーザーについては、かなり昔に購入したAZ (エーゼット)のメンテナンスセットにオマケで付いてきたクリーナーにヒントがあった。

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AZのメンテナンスセットのディグリーザーはチェーン汚れの分解能があまり高くなくて、付属のブラシなども使いにくく、残念ながら期待していた内容ではなかったので速攻でゴミ箱行きになった

しかし、オマケで入っていたパーツクリーナーについては、そのうちディグリーザーとして使えるかなと思ってツールボックスの中に放り込んで忘れていたわけだ。

使い方は簡単だ。

① 車体から取り外したチェーンをジップロックや厚手のビニール袋に入れ、AZのパーツクリーナーをスプレーし、揉み込む。

② すぐに大量の汚れが浮かんでくるので、ウエスや厚手のペーパーで液体を吸い取る。

③ 再びAZのパーツクリーナーをスプレーして揉み込み、汚れをウエスや厚手のペーパーで吸い取る。

④ 最後の仕上げとしてチェーンを台所に持っていって適当なビニール袋に入れ、中性洗剤を振りかけてたっぷりの泡の中でチェーンを洗い、水で汚れを落とす。

⑤ しばらく干して水気を落とした後で、ビニール袋の中でオイルスプレーを振りかける。そのまま干し続けるとチェーンが錆びる。

AZのクリーナーは汚れの分解能が高いので溶剤そのもの使用量も少なくなるし、廃液をティッシュやキッチンペーパーに染みこませれば燃やせるゴミになるだろう。

夏場であれば、廃液を吸い取った後の紙をベランダで放置するだけで蒸発してしまうくらいの速乾性がある。

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スプレー缶のデザインとしても扱いやすい。数本をまとめ買いしておくと便利だと思った。

なんだこれは素晴らしいじゃないかと感動し、Amazonで同等品を探したところ、「AZ(エーゼット) パーツクリーナー ブラック 840ml Y001」という製品がヒットした。

オマケとして付いてきた製品の後継品のようで、プラスチックやゴムといったパーツに対する攻撃性がなくなったらしい。しかも、当時の価格は約350円。

ディグリーザーと銘打った製品の多くは2000円近い価格になっているにも関わらず、送料よりも安くなってしまっている。ということは、オマケのサンプル品として付いてきたクリーナーと同じような小さなスプレー缶なのだろう。

なるほどさらに素晴らしいじゃないかと感動して早速ポチった。840mLという容量が気になったので、とりあえずひとつだけ注文したが、オマケのサンプル品と同じ小さなスプレー缶であれば、追加でまとめ買いすればいい。

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しかし、実際に届いたAZのパーツクリーナーは、私の予想の斜め上を飛んできた。

遠目にみるとオマケで付いてきた製品が大きくなっただけという印象がある。

しかし、購入した人だけが受ける強烈なインパクトがあったりもする。

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小サイズだと勘違いしてまとめ買いしなくて助かった。それにしても大きい

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これ以上にスプレー缶を太くすると片手で握れなくなるので、ならば缶を伸ばそうということになり、結果としてサイケデリックなデザインになってしまったのだろう。「そうか...このような感じなのか...」と妙に納得し、大きすぎることもそれはそれで不便だなと思った。

性能についてはオマケのサンプル品と変わらない。それは分かる。しかしながら、これだけ大きな物を大きな段ボールに入れて、送料を込みで350円で販売して利益が出るのだろうか。

案の定、当時はAmazonで約350円だったAZのパーツクリーナーが、最近では850円程度の値が付いている。200%を軽く超える値上げ。

昨今の原材料や輸送費の高騰の影響もあるだろうけれど、送料を含めて350円という値段が間違っていたわけで、性能を考えると1000円くらいまでならば許容しうる。

おそらく、AZのパーツクリーナーの場合には、チェーンを外さずにウエスの上でスプレーするだけでも汚れが落ちると思う。また、速乾性でプラスチックへの攻撃性がないのであれば、チェーンを取り外さずにそのまま汚れを落とすことができるかもしれないな。

次に、どのような製造工程によって生み出されたのか分からない個人的にはオーパーツのようなオイル。

自転車の量販店に行って「EVERS」というメーカーの「自転車用長期防錆剤」という黒色のスプレー缶を目にした人がいると思う。製品名は「防錆剤」であり、「潤滑剤」と書かれていない。

以前、浦安から都内までロードバイクで通勤していた時、毎日のチェーンのメンテナンスが面倒になって、エバースの防錆剤を使っていた。

スポーツ自転車用のドライルブは100~200kmでクリーニングや補充が必要になる。雨に降られると汚れたりパフォーマンスが落ちたりもする。かといって、ウェットタイプのルブをチェーンに塗ると汚れが激しくてクリーニングが面倒になる。

そこで、自転車店で見かけたエバースの防錆剤をチェーンにスプレーしてみた。変速がシャキシャキと小気味よくなり、チェーンの汚れも少なくなった。さらに、クリーナーとしての性能もあるようで、チェーンをスプレーした後にウエスやペーパーで拭き取ると汚れが落ちた。

雨の中を走ってから自転車を放置しても、防錆剤をスプレーしたパーツには錆が全く生じていない。このオイルは金属への浸透性があり、水置換性も有しているらしい。つまり、金属部品の表面に付着した水分とオイルが入れ替わり、金属に染みこむということか。

確かに、布や紙でチェーンを念入りに擦っても金属の表面に被膜が形成されていることが分かる。しかも、しばらく走行した後でチェーンに水をかけても弾いている。なんだこれは凄いなと思った。

室外保管しているシティサイクルには今でもエバースの防錆剤をスプレーしている。浦安市はベイフロントなので、潮風が吹いて金属が錆びやすい。室外保管されている自転車の多くは錆び付いている。そのような劣悪な環境においてもチェーンやスプロケットが全く錆びない。

しかしながら、圧倒的な性能ではあるけれど、普段使いならばともかく、趣味で長距離を走るスポーツ自転車にエバースの防錆剤を使うことには躊躇した。

これだけ浸透性が強いオイルなので、チェーンに付いたオイルがディレイラーのプーリーといった樹脂パーツに付着して劣化し、サイクリングの最中にプーリーが割れたりすると大変だ。

つまり、樹脂やゴムへの攻撃性が見られないエバースの防錆剤があればいい。5年ほど前には見当たらなかったが、検索するとすぐにヒットした。

「EVERS PRO カーボンチェーンスプレー ドライ」という製品。

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ドライタイプのチェーンルブの場合には晴れている日に使用し、雨が降るとオイルが落ちてしまうというイメージがある。しかし、エバースプロのドライは全天候型なので雨中でも使用することができるらしい。

加えて、エバースプロにはウェットタイプの製品もラインナップされており、どれを選択すればいいのかと判断に悩む。

私の場合には量販店で見かけた防錆剤と同じような製品を探してエバースプロのドライタイプにたどり着いたわけだが、ネット上では「エバースの紫が最強」という評判も散見される。

私の週末のサイクリングの距離が100km程度で、何度かスプレーせずに走ってもチェーンは薄黒くなっている程度。谷津道や河川敷という砂埃が多いルートを走ってもスプロケットが真っ黒になりもせず、ついついメンテナンスを省略して次のライドに出かけてしまうこともある。

これまで使っていたシマノのドライタイプのチェーンルブであれば、一度のライドでチェーンやスプロケットが真っ黒になって布や紙で拭き取っていた。

おそらく、このディグリーザーとオイルの組み合わせであれば、スプレーは2週間に1度くらい、そして気分転換を兼ねてクリーナーでチェーンを綺麗にする程度で十分かもしれないな。

良い品が手に入った。