2019/11/17

内房へのライドでコクーンを試す

人で混み合う荒川や江戸川の河川敷をロードバイクで走ることに辟易した私は、別のルーティンコースを探していた。


自ら立ち上げた社会人ロードバイクサークルは、最初の1~2年こそ人が集まって楽しかった。しかし、仕事や家庭の都合でグループライドに参加しないメンバーが増えた。

新規入会希望といえば、ソロライドに飽きたビギナーや、残りの人生で新たな展開を探す50代ばかり。これでは同じパターン、つまり出会いと別れを繰り返すだけになる。

しかし、物事は考えようで、社会人スポーツサークルの寿命は多くの場合、数年、長くても5年くらいだと考えていて、時間も金もかかるロードバイクなら仕方がないことだと思う。

夫婦共働きで子供が産まれたら自転車で気楽に走るための時間がなくなるし、片働きだと気楽にポチるための小遣いがなくなる。

サークル活動をメインにすると、世話人は自分が走りたくないコースや時間帯でも我慢してライドに行くことがある。今は気にせずに走りたいルートを自分の都合で走ることができる。

ルーティンコースとして設定したのは千葉県の内房。

浦安から姉ケ崎を往復するルートが気に入っているが、私が姉ケ崎だと思って引き返している場所は、市原市を通り越して袖ケ浦市だったことが地図を見て分かった。

どうやら姉ヶ崎寧々のイメージが強すぎて勘違いしていたらしい。千葉都民には千葉県の地理がよく分からない。

今回はタイオガのフレックスコクーンという輪行袋を試してみることにする。新浦安駅の北口のお世辞にも綺麗とは言えない荒んだ空きスペースで、タバコの吸い殻を避けながらロードバイクの前輪を外す。

最近、新浦安駅の北口の喫煙所が閉鎖され、南口に喫煙スペースが作られたのだけれど、距離があって不便なのかもしれない。

この駅の北口では、夜になると酔っぱらったもしくはストレスを抱えたビジネスマン、あるいは髪を染めたり顎髭を生やしたあまり上品とは言えない若者たちがスパスパとタバコを吸って殻を路上にポイ捨てしている。

これでは北口の喫煙所を閉鎖した意味がない。歩きタバコも増えた。浦安行政の先見性がよく分かる。

喫煙所の閉鎖よりも、実効性を伴う受動喫煙防止条例を整備することが先だと思う。係員を立てて躊躇せず条例違反で捕まえて罰金を取ればいい。ルールを守れない人に気を遣う必要はない。

このような行政の実力で、5年後から始まると試算されている財政赤字を乗り越えることができるのだろうか。

そして、ガラガラとキャリーバッグを引いてやってくるディズニー客。この時点で輪行を止めようかと思ったが、コクーンの試用も兼ねているので我慢する。

フレックスコクーンを使用した感想としては、フレームのサイズによっては収納がキツくなるかもしれないと感じた。サドルまで覆うタイプのコクーンなので、身長180cmくらいの人が乗る車体でギリギリだと思う。

しかし、後輪を外さなくてよい輪行袋がこんなに便利だとは予想外だった。私のクロモリロードバイクは重いので肩にストラップが食い込むが、カーボンロードバイクなら実に快適だと思う。

広くない一般的な改札を楽にパスすることができる。車内でも後輪を下にして立てれば普通の輪行袋よりもスペースも取らない。

何より、リアディレイラーの破損やフレームの傷のリスクを減らすことができる。これは安心だ。現地に到着しても前輪を装着して、輪行袋を畳んでバックパックに入れるだけ。

フレックスコクーンを使ってみて必要だと感じたのは、フロントフォークを保護するためのエンド金具。同じくタイオガでプラスチック製のエンドプロテクターが販売されている。

前輪をフレームに固定する時にはクイックリリースを外した方がフレームへの接触を避けることができるので、このクイックとエンド金具の本体を使えば、エンド金具に付属するクイックを持ち運ぶ手間がない。

それにしても、最近ではディスクブレーキ対応のロードバイクの販売が活発になり、レース志向のレーサーだけでなく、初心者までがディスクモデルを買ってしまっているようだが、輪行する時は大変だろうな。到着してローターが曲がっていたら。ああ、だからコクーンが売れているのか。

しかし、遠くまで行ってディスクブレーキが壊れたら、初心者が自分で直せるのだろうか。ああ、輪行袋を持っていたら、そのまま帰ればいいのか。なかったら悲惨だな。

今回は試行なので蘇我駅までコクーンでロードバイクを運び、そこから袖ケ浦までのいつものコースを走り、自走で浦安まで帰ってきた。

人によっては300g程度の輪行袋の重量増が気になるかもしれないが、私の重量級のロードバイクでは誤差範囲に過ぎない。

とはいえ、市川や船橋の357号線沿いを輪行でスキップする用途としては、コクーンが必要なかったことに気づく。輪行で30km程度をスキップして70kmを走っても、自走で100kmを走っても疲労や時間は変わらなかった。

しかし、ナイトライドで房総方面を走り、途中で一泊して帰ってくるような場合、ホテルや旅館でロードバイクを輪行袋に収納する時にコクーンは非常に便利だ。

今は子育てで余裕がないけれど、50代になれば落ち着くことだろう。気ままに走って旨い料理を食べて、温泉に入るような自転車旅行。趣味として素敵だな。