2021/05/05

浦安市の防災無線放送は、野球場のアナウンスを参考にすると聞き取りやすくなるよ

浦安市内では高齢者のコロナワクチンの接種予約が始まったが、システムをデジタルに振った結果として逆に利便性や効率性が低下し、電話予約はパンク状態。必ずしも高齢者のことを慮っているとは思えない街の行政に対して市民の不満や憤りが蓄積しているらしい。浦安の行政に足りないのは、市民の気持ちを察する姿勢なのかもしれないな。

浦安市が防災無線放送を使って市内全域に音声でアナウンスすることがあるのだが、担当している男性職員の声がくぐもっていて、非常に聞き取りづらい。暴風雨の際には全く聞き取れないし、コロナ関連のアナウンスでさえニュアンスで判別するくらいだ。浦安市の関係者はこの課題に気がつかないのだろうか。


行政にもデジタル化の取り組みが採用されているようだが、アナログだからこそ大切にしなくてはならないことだってあるだろう。

より大きな災害がやってきて、市民が避難しなくてはならない状況になった時、スピーカーから人の声で呼びかけるという情報伝達は即時性があり、広域性も高い。

ツイッターはアカウントを作るかサイトにアクセスしないと情報を得られないが、市内全域への音声でのアナウンスは誰かが聞いた情報でさえ周囲に広がる。

とりわけ、大規模な地震等によってインターネットや電話の通信が停止してしまった時には、浦安市が市民に情報を伝える上で防災無線放送はとても重要だ。

震災で液状化を起こした時、スピーカーから流れる放送はとても役に立った。

浦安市の行政は、当時の教訓を忘れてしまったのだろうか。

厳しい言い方だが、平時であっても聞き取れない防災浦安を放置しておいて、いざ問題になった時には想定外という言い逃れは許されない。

コロナに気をつけましょうというアナウンスでさえ、とりあえずニュアンスだけで判別している状態なので、厳しい災害が発生した時には防災無線放送が機能しない。それが私なりの想定だ。

その懸念が現実になった時、想定外ではなくて想定内の出来事になるわけだし、機能しないことを想定するような態度は適切ではない。

しかも、浦安市内にはネットを使いこなせない市民がたくさん住んでいる。

シニア世代の中にはネットという存在が情報の窓口になっていない場合だってありうる。

そのような人たちを守ろうと思う気概が、この街の行政にはあるのか?

ツイッターでは、「防災浦安が聞き取れない」というツイートが散見され、浦安市のホームページにおいても、2015年の段階で市民から指摘があり、当を得ていない回答をネット上で公開している。

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【質問】 
防災行政用無線について、放送している内容が聞きとれません。

【回答】
防災行政用無線の放送は、防災行政用無線テレフォンサービス 電話:0120-431-067で、放送した内容を確認することができますのでご利用ください。また、防災行政用無線の補完対策として、防災行政用無線から放送した内容を聴くことができる防災ラジオの有償配布も行っております。
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この回答を用意した職員としては模範解答だと思っているのかもしれないが、質問した市民の気持ちを全く察しておらず、明後日の方向に答えてしまっている。

また、地元の不動産屋の関連企業のサイトでも同じような内容が掲載されている。

はっきり言おう。これらの対応は間違っている。質問を理解していないのか、あえて真正面から答えるつもりがないのか。おそらくその両方だろう。

このように前時代的とも思えるいかにもな地方行政の対応は、少子高齢化に伴う自治体間の競争が始まってからなくなってきたと私は理解していたのだが、浦安市の行政は理解していないらしい。

民間企業に限らず、行政においてもユーザーの利便性を調査して対応することは重要だ。

同時に、ユーザーの気持ちを察して行間を読み、それらに対して答えることも大切なことだ。

私見だが、浦安市役所は市民の心の行間を読むことが下手で、あまりに鋭く突っ込まれるとガードを固めて亀になるという印象がある。

対照的に、子育て世代から人気のある流山市や柏市、千葉市といった自治体は、市民に対するガードをあえて下げているように感じる。

わざと市民に突っ込ませて対立せず、街の課題を市民と一緒に考えようという姿勢が、これからの働き盛りの世代にはウケるということを知っているからだろう。

浦安市役所の場合には、かつて行政に突撃してきた本浦安や新浦安の団塊世代のトラウマを、未だに抱えている気がしてならない。

まあ確かに学生時代に激しかったようなシニアがたくさんお住まいだが。

もとい、「防災行政用無線について、放送している内容が聞きとれません。」という指摘だが、この質問は文字の通りなんだ。

「防災浦安のアナウンスが聞き取りづらいから、何とかしてください」という意見だ。

その場合、浦安市は放送が聞き取りづらい理由を考える必要がある。いきなり代替案を提示するのは適切ではない。

無線放送のスピーカーの音質に問題があるのか、共鳴を起こしてしまうスピーカーの配置に問題があるのか、もしくは、アナウンスする職員の声質が合っていないのかなど。

そして、それらの放送自体の課題を検討した上で、どうしても聞き取れない場合には電話やラジオのサービスがあると説明すべきだ。

この回答では、防災放送自体を改善するつもりがないことを示してしまっている。

また、浦安市の行政の特徴として、その場面で難しい表現を使う必要がないにも関わらず、わざと難しい表現を使うことがある。

浦安市議会の一般質問での浦安市側の答弁は、課長級や課長補佐級の職員が原稿を用意して、市長や部長級職員が話すことが多いと思う。

それらの内容を市議会のサイトでチェックすれば分かる。非常に分かりにくい表現が多数認められる。

先の回答においては、「防災行政用無線の補完対策として」というフレーズがあるが、「補完対策」なんてフレーズは市民に向かって使う言葉ではない。自分が賢い人だとアピールしたいのか。

本当に賢い人たちは、難しい言葉を使わず、分かりやすい言葉を使う。イメージとしては歯車に油を差すようなものだ。

難しい役所言葉を市民に向かって使うことは、自身の能力が足りないことの現れだ。

それで市民が納得したり畏怖を覚えるはずがない。気が利かない職員だと不満を溜めるだけだ。

実際に台風の際に生じたことだが、浦安市の緊急時の防災放送が流れて、その内容が聞き取れないという状況になり、テレフォンサービスに電話が集中して全く繋がらなくなった。

今回のワクチン接種の予約システムもサーバーがダウンして電話窓口がパンクしたが、相変わらず同じことを続けている。

先の台風では、このままだと浦安市内が水没するのではないかという状況だったので、一般市民がツイッターで情報を伝え合うという事態に発展した。

しかも、浦安市が用意した肝心のハザードマップは、色分けが微妙で水深が分かりづらかった。これでは十分な役目を果たさない。

ネットが使えず、電話も繋がらない状況で、市役所に行って防災ラジオを買う余裕なんてあるはずがないだろう。

つまり、「補完対策」なんて難しい言葉を使っているが、実際には必ずしも補完していない対応だな。

防災無線放送が聞き取りづらいと市民から苦情が出ているのだから、防災無線放送を聞き取りやすくすればいいじゃないか。

補完対策は、それらにおいて万策尽きた後で考えるべきことだ。そこまで難しい話でもない。

そして、防災アナウンスについての浦安市の対応は、先のサイトに掲載された時からあまり変わっていない。

むしろ、2015年頃と比べて、防災浦安のアナウンスはさらに聞き取りづらくなった。

スピーカーを新品に交換したという話を聞いたこともない。

もちろんだが防災無線放送には技術的な制約があり、あまりにクリアな音質は期待することができない。

ヤマビコのように音が跳ね返って反復してしまうことも仕方がない。

だが、市民からの指摘はそこではなくて、「アナウンスの声がくぐもっていて聞き取りづらい」という点だ。

浦安市役所の職員は、他の自治体の防災無線放送を聞いたことがないのだろうか。

これではアナウンスがくぐもって当然なんだ。

なぜなら、声のトーンが低い男性職員、あるいは市長自身が無線放送で伝えているから。

市長はともかく、現在担当している男性職員は丁寧に発音しようと努めてくださっているが、これは本人の努力ではなくて、声質の問題なんだ。

男性の低い声は、女性の声と比べて聞き取りづらい。とりわけ、自動車が頻繁に行き交う浦安という街では、それらのノイズの中に男性の声のトーンが埋まってしまう。

例えば、プロ野球の試合ではウグイス嬢が打順をアナウンスする。これを男性の声で行うと歓声の中に埋まってしまって聞き取れなくなる。

ラジオやレコードの音質が悪かった昭和初期では、男性の歌手の声が聞き取りづらいということで、あえて高い声で歌ったそうだ。

どうしても男性職員がアナウンスしなくてはならないという必然性は思い浮かばないが、男性職員のアナウンスにこだわるのであれば、可能な限り声のトーンが高い職員を探した方がいい。

現在の浦安市の防災無線放送は、スピーカーの音質が悪い上に音が反響して、海外のヘビーメタルバンドのボーカルのシャウトのようになってしまい、何を言っているのか聞き取れないという状態になってしまっている。

これではただの騒音だ。流さない方が静かでいい。

そういえば、2011年くらいだったろうか、以前の防災浦安のアナウンスは声がとてもよく通る女性職員が担当していた。

震災の頃にもお世話になった。「こちらは~ぼうさい~うらやすです~」というクリアな声の人。

しかし、最近では非常に声が聞き取りづらい男性職員がアナウンスを担当している。

わざとアナウンスを聞き取りづらくしているとは思えないのだが、浦安市役所の中の人たちは、どうしてこのような放送を流すのだろう。

これでは市民がアナウンスを聞こうとしないだろうし、コロナ関連や災害情報であれば聞き取れないと苦情が生じて当然だ。

かといって、「防災浦安の放送は、男性の声では聞き取りづらいので、女性の声でお願いします」と私が浦安市役所に相談したところで、それが受け入れられるとは思えない。

放送が聞き取りづらいという苦情が入った時点で気がつかないような行政が、一般市民の意見を参考にして取り組むとは想像しえないからだ。

参考にするだけで、取り組みはしないだろう。

市内の選挙になるとウグイス嬢の人たちのよく通る声が響き渡る。その理由は市議会の中の人たちが知っているはずだ。

それなのに、行政が市民に声で伝えるという大切な取り組みが、あまりに粗末だと感じはしないか。

試しに、声のトーンが高い女性職員に頼んで防災無線放送を流してみると分かる。

「聞き取りやすくなった!」と市民が喜ぶはずだ。特別な予算もかからない。

この街の行政は、市民からの突っ込みを恐れてガードを高めに設定するのだが、ガードを高くした結果として、市民の心の中が見えなくなってしまっている。

市民からの提案が困難であるという理由を先に考えるのではなく、市民からの提案を実現するためにはどうすればよいのかを先に考えるべきだ。

それができていないから、市民が他の自治体に転出し続けているのではないか。

とにかく、市民の健康や安全に関わるようなアナウンスについて、現状を続けるのは良くない。

行政に対する批判は、小さな不満の積み重ねによって大きな波となって押し寄せる。

小さな不満は工夫次第で何とかなるし、その積み重ねが市民からの信頼に繋がる。

市民に対するガードを上げすぎて見えなくなってしまっているのかもしれないが、現在の浦安市の行政に対して不満を蓄積させている市民は少なくない。

行政についてあまり関心のない子育て世代からも不満の声が挙がっていることに気づいているのだろうか。

先の出来事で、市民の心の中に沈殿したフラストレーションを実感したはずなのだが。