2019/12/06

ヨガマットとストレッチとうたた寝で

年の瀬が見えてきた金曜日の夜。多くの父親たちが飲んでいるであろう時間でも私は働いている。


まあとにかく次から次に仕事が降ってくる。まるでGANTZの大阪ミッションのようだ。

いつも思うのだけれど、多くの人たちが年内に仕事をまとめて、新年を迎えようという風習を改めたらどうなんだ? 師走とは師が走ると書くが、偉い人たちよりも前線の方が厳しくないか?

そして、皆が年内ということで12月に締め切りを設定し、結果としてお互いに追い込んでいないか?

12月31日も、その一週間前も後も地球の物理学的な特性は変わらないわけだ。天気が違うとか細かなことはあっても、大晦日や元旦を特別な日にしてしまうのは人や社会でしかない。

私が本来果たすべき仕事については、どれだけ忙しくても構わない。だが、ベテランに差し掛かるとどうでもいいとは言わないが、これをやってどうなるのかという雑用がまわってくる。

手帳を開けば毎日のように何かのデッドラインが記載されている。デッドラインを何度も越えたが私は生きている。デッドラインを真面目に守った方が死に近づく。

「あー、こりゃ間に合わないな...やるか」

冷蔵庫からモンスターエナジーの缶を2本ほど取りだして、1本は一気のみ、2本目はテンションを見ながら飲み干す。

このエナジードリンクを飲むと、私の場合には眠気や疲れが飛ぶのだけれど、プラセボの思いこみとは言い難い。とはいえ缶の表記を眺めても特に影響が出なさそうな成分と添加量が書かれている。

リゲインやユンケルやレッドブルよりも、モンスターエナジーの方が元気になる感じがある。不思議だな。ああ、だからうちの職場の自販機に並んでいるのか。

そして、中二風にオーバードライブと名付けた過集中を発動させる。3時間くらい無休憩で作業を続けていたら、視界が歪んで見えてきた。そろそろ終電なので帰ろう。

本日がデッドラインの仕事はおそらく担当者が帰ったことだろう。あとは休みの日に内容をチェックしておいて、督促メールが届いた瞬間に投げ返してやる。

どうだこれが旧態依然とした昭和の男たちの働き方だ。昔は「24時間働けますか?」なんて古いCMソングなんてものまで流れていたわけだ。

帰宅して泥のように眠り、翌日はオフだ。最近は休日出勤が多かったので逆に違和感がある。

過集中が直接の原因とは言えないが、無理のある姿勢のままオーバードライブを発動すると、翌日には全身がコリで固くなってバキバキになる。

妻からは「元気の前借り」と言われる事象で、まあ仕事で頑張ったということで最近では家事の負荷が減ったりもする。

しかし、この疲労感はとても大きくて、とてもじゃないがサイクリングに行ったりスピンバイクに乗っているような気力も体力も残っていない。

以前は大江戸温泉に行ったり、整骨院でマッサージを受けたりもしたのだけれど、最近ではヨガマットの上でゴロ寝している。

私が趣味と物置と自宅ネットカフェを兼ねて占拠している自宅の小部屋には、ビンディングシューズで室内を歩いても階下に響かないようにヨガマットを敷いている。

仕事で疲れて全身がバキバキになった時は、小部屋のエアコンの温度を高めに設定して、ヨガマットの上でストレッチをすると、とてもよい塩梅でコリが緩和されて身体が軽くなる。

ストレッチといっても、中高生時代の部活で教わった柔軟体操みたいなものだが、これが実に素晴らしい。

巷ではホットヨガというものがあって、そういった店に通っているご婦人たちはどうなんだと私は訝しがっていたが、おそらく原理は同じかもしれない。

そして、子供たちがうるさいので耳栓を付けてヨガマットの上でウトウトと居眠りして、再びコリがある箇所を中心にストレッチ。

まあ見た目は...というか実際には中年の父親の休日によくあるゴロ寝だな。

それでもいいじゃないか。休日は「休む日」と書く。平日に仕事と家庭で疲れて、休日にも塾だ習い事だ地域のイベントだと予定を組んでいたら休むことができない。

これほどまで仕事が忙しい時は、心身ともに自分を休ませることにする。

ああそうそう書き忘れた。あくまで個人的な印象だが、モンスターエナジーを飲み過ぎると腰から下が元気になるようだ。やはり成分表に記載されていない何かが入っている気がしてならない。