浦安市内でクラスターが発生
ネットの片隅に漂っているだけのHYPSENTのブログだが、かなり以前から個人的な付き合いがある浦安市役所の職員さんがおられて、おそらくたまにアクセスしてくださっていることだろう。
浦安市内で新型コロナウイルス感染者のクラスターが発生することは想定の範囲内であって、最もケアすべき場所は医療機関だと考えていた。
今回、予想通りに医療機関だった。ここからが大変なんだ。すぐ近くのマンション住民は不安かもしれない。
だが、そのきっかけはディズニーの客がもたらすと予想していた。どうやらその読みは外れたらしい...
外れたよな?
これから始まるわけではないよな?
観光客が浦安を舞台として地域や全国に感染を広げるなんて、起こってほしくない。
読みが外れてくれることを願う。
浦安市でクラスターが発生するのは時間の問題だと思っていたが、第一例が自宅がある新町エリアとは。
2020年7月12日の千葉県の発表によると、浦安市内の民間病院で、入院患者6人と看護師3人の新型コロナウイルス感染が判明し、前日に発表された看護師1人と合わせて同病院で10人のクラスターが発生した。
同病院のベッド数は約200床。思ったより多いな。
一時期はテレビのワイドショーや原発が嫌いな人たちからボロクソに叩かれていたが、現在のPCR検査のキャパシティは余力がある。
医療スタッフと合わせて300名分くらいなら、半日から1日あれば全員の検査が可能だろう。
千葉市よりも東京に検体を運んだ方が早いかもしれないな。浦安カーをぶっ飛ばせば、すぐに検査機関に到着する。
現在、この病院は新規の入院受け入れを止めた。
そして、千葉県は日本政府に対して厚生労働省のクラスター対策班の派遣を要請した。
医療機関の院内感染によるクラスターが発生した場合には、市川市にある保健所だけでは対応が難しいことだろう。
この状況は以前の録にて予想していたことだ。悪夢でもなくて、可能性がある事態が生じたということだな。
国家の精鋭チームが浦安の新町にやってくるというのは、なかなか胸が熱くなる展開だな。
新町の住民としては感動しているような状況ではないが。
休日の食事中、妻が「あのさ、もしもクラスター対策班の人たちの中に浦安市民がいたら、どうやって出動するのかな?」と尋ねた。
私は、「さあね、自宅からママチャリに乗って現場に向かうんじゃないの?」と答えた。
妻的には、クラスター対策班が、黒塗りのハイテクな専用車で施設に横付け、あるいはヘリコプターで屋上に舞い降りて、そこから完全防備した人たちが乗り込んでくるイメージがあるかもしれない。
PPEを脱いだら、「あ!○○くんのパパだ!」みたいな。
ありえない。
現実は地味で、見た目は浦安市役所の人みたいなワイシャツを着た普通のオッサンだと思う。
小中学生の男子から見ると夢のない話かもしれないが、警察や自衛隊の特殊部隊とは違う。
新木場乗り換えの京葉線で新浦安駅下車、そこからベイシティバスに乗るとか。タクシーの場合には、きちんと領収証を受け取ったり。
見た目はともかく、頭脳は人間離れしているだろうから、何とかしてもらうしかない。
妻が作ってくれた旨いムニエルを食べながら、芋焼酎をゆっくりと喉に流した。
今頃、浦安市の庁舎の中ではコアメンバーが、しかめっ面で状況を分析していることだろう。
声の大きい市民が多く、行政への突っ込みも激しい市民性なので、おそらく今後の波を考えると気が重いだろうな。
この街の市民の多くは、行政の取り組みに対して感謝も労いも少ない。それが仕事だから当然だと上から行くわけだ。
行政に対して激しい突っ込みを入れるシニア世代、行政に関心を持たない子育て世代。
たくさんの自治体から市民が集まり、旧漁師町の背景を有するネイティブを除いて、市民としての帰属意識が成熟しているとは感じられない。
もちろん、街への愛着はあるのだろうけれど。個の主張が強い。
一方、経済や教育へのダメージを考えると、浦安市に限らず、再びの外出自粛という剣を抜くことはかなり厳しい。
つまり、現状の維持と市民の行動変容に頼りながら、新型コロナウイルスの第二波を耐えなくてはならないということか。
不思議なことに、日本のような第二波は南半球のオーストラリアにおいても生じており、文化や気候が違ったとしても同様の傾向が認められる。
浦安市の隣は東京都だ。市民の往来は激しい。
おそらく、この状況では、市内で第二、第三のクラスターの発生は回避しえないことだろう。
夜の街で遊んで感染する人たちに同情の余地はないが、それだって人の自由だし、それを生活の糧にしている職業人たちがいる。
悪いのは人ではなくてウイルスだ。ウイルスをきっかけとして人同士が攻撃し合っても意味はないが、我や欲を優先して感染を広めることは社会全体で考えれば無謀なことだ。
だが、これだけ感染力の高いウイルスにおいては、対応していて感染した人が悪いとは言えない。
浦安市内というローカルな状況を考えると、すでに感染している人たちが駅を利用し、街の中を歩き、スーパーの人混みにいるという事態を覚悟する時が来た。
ただし、繰り返しになるが、きちんと対応していて新型コロナウイルスに感染した場合、その人に非はない。
第一線級の研究者たちによって空気感染の可能性が指摘されているようなウイルスの感染を、一般市民が完全に防御しうるかというと、なかなか難しい。
行政としては、感染者に対する他の市民からの誹謗中傷を食い止める必要がある。
また、浦安市内を眺めてみると、あまりに気が緩み過ぎた人たちが多い。
特に、駅前でマスクを外して酔っ払ってたむろっている若者たちには閉口した。尋ねてみると、市内の私立大学の学生たちだそうだ。
新浦安キャンパスではなくて、坂戸キャンパスでは感染者が発生して全学年の登校が停止になったのに、同じ大学の学生があまりに暢気ではないか。
警察官がそのような若者たちに対して直接的に注意することは難しいだろうけれど、職質で動きを止めて解散させるなり、何らかの対応が必要だと思う。
それと、浦安市民のツイッターアカウントについては、その多くを把握しているわけだが、第一波の時から考え方があまり変わっていない人たちが目立つ。
状況はすでに大きく変化していて、検査体制や医療体制も変わってきている。
だが、そのような変化を市民が把握しているとは思えない。
マスコミがこの状態だから市民に伝わらないことも理解しうるが、浦安市の行政から市民に対してオンタイムで情報を伝えるような手段がほしいところだ。
個人的には、この状況では浦安市民が新型コロナウイルスに感染することを完全に抑止することは困難だと思う。
浦安市の行政としては、冷静かつ迅速に対応してくださっていて、市民として感謝申し上げる。
この調子、あるいはさらに丁寧に取り組みを重ねることがベストの選択だと思う。
液状化による街の崩壊を乗り越えた浦安市が、こんな小さなウイルスに負けるはずがないんだ。
...と焚きつけてみる。
日本全体を眺めてみれば分かることだが、第二波が訪れている状況においては、重症者や死亡者はあまり増えていない。
そのことに安堵することは避けねばならないが、不意打ちのように新型コロナウイルス感染症の脅威がやってきた時とは状況が異なる。
市内で感染者が増え続ける状況において守り切る必要があるのは、医療機関だ。それは第一波の時と変わらない。
次に、市民が動揺してパニックを起こさないように対応する必要がある。
情報の少なさは逆に市民の不安を煽ることになりうるので、必要に応じて専門家によるオンラインレクチャーを取り入れるなど、市民の不安を和らげる対策も必要だと思う。
また、元町、中町、新町と、それぞれの町意識が強いことは分かるが、感染者やその家族に対して無用の攻撃を加えないように。特に子供はショックが大きい。
それにしても...同じ浦安市民でも、コロナ禍に対してナーバスになっている市民と、気にせずに駅前で飲み歩いている市民の温度差が大きいな。
マスクをしない若者たちを見かけると、なるほどこれがゆとり教育の成果なのかと感じてしまうし、マスクをしない同世代のオッサンたちを見かけると、やはりオッサンというのは社会でアレな存在だなと思いたくなる。
しかしながら、人々の考えが一方向になり過ぎている社会というのは危険な状態で、ある程度の揺らぎがある方が安定しているとどこかの本で読んだことがある。
この場合にはあまり揺らぎすぎても困るのだが、そういった揺らぎのある社会の中で感染症を抑止していかなくてはならないということだな。
軽く酔ったところで、今日は早めに寝よう。
繰り返しになるが、浦安市の行政においては、市民への呼びかけに加えてより詳しい情報の提供、ならびにマスクをせずに夜間にたむろっている若者たちへの声掛けが大切だと思う。
最もケアすべきは、市民の命を守る砦である医療機関。
砦を完全に防御するステージは過ぎた。すでに砦がウイルスによる攻撃を受けるステージだと思う。
今回の新町の病院でのクラスターは、その対応を考える上での第一段階になる。
また、他の医療機関においてもマスクやシールド、防護服といった消耗品の備蓄の支援が必要だな。
これからの第二波においては、第一波の時のような外出自粛というドラスティックな効果を期待することが難しい。その中での消耗戦になる可能性がある。
保育園や学校といった場所でのクラスター発生については、千葉県や校内のカウンセラーとも連携して、子供たちの心のケアに努めてほしい。
何だか先生方は勘違いしていることが多いが、子供たちが新型コロナウイルスに感染しても、基礎疾患がなければ重篤しないことがほとんどだ。
子供たちに恐怖を植え付けることがないようにしたい。
それと、案外盲点になっているかもしれないが、浦安市の司令塔となる市庁舎においてクラスターが発生すると、かなり痛い状況になる。
これだけ市民が集まる場所で、職員たちが同じフロアに集まっている。
市長が倒れても副市長がいるが、市庁舎の担当課が全滅すると浦安市の機能が麻痺してしまう。
その可能性を考慮し、市職員の防御を検討しておいた方がいい。
自分たちが浦安という街を維持するための重要な存在だという自覚を持ち、決して無理をしないように。
今回は液状化の時のような気合は通用しない。感染すればその時点で出勤停止、同僚も濃厚接触者になる。
ということで、寝る。