2020/06/05

ロードバイクの実走用のフェイスカバーで轟沈

私自身は真面目に考えて購入して試しているだけなのだが、周りからはリスキーなサイクル用品に果敢に手を出して失敗するというネタにしか見えない轟沈シリーズ。今回は、ロードバイクのライドで使うフェイスマスクの話。


正確には、轟沈するためのシリーズではなくて、真剣に取り組んだ結果として轟沈しただけにすぎない。

それにしても...パンデミックが終息したわけでもないのに、老若男女問わずマスクを外していたり、酔っ払って電車に乗り大声を出す人が目につく。

全てを諦めたように駅のホームで缶チューハイや発泡酒を飲んでいる千葉県民の中年サラリーマンたちには、もはや私が何を感じても無意味だと思える荒涼感を覚える。

自宅に帰るまで酒を我慢することができないという状態は、アルコール依存症の疑いがあるのではないかと私は思う。

そもそも、ほとんどの乗客が通勤で使用する駅のホームにおいて、アルコールを販売すること自体が適切なのだろうか。

彼らは、駅のホームで1本の缶を飲み干し、マスクを付けて電車に乗り、マスクを外して酒を飲み、再びマスクをするか、そのまま酔っ払って眠る。

彼らも相当なものだが、三十路前くらいのサラリーマンや二十代くらいの私服の若者たちも凄まじい。自分たちが新型コロナウイルスに感染しても、大して重症化しないと思っているからだろうか。

緊急事態宣言が解除された途端に夜の街に繰り出して、居酒屋等で酒を飲んで電車に乗り込んでくるのだろう。

最近の私は、いつもの仕事の忙しさが戻ってきて、終電近くで帰るようになってきた。

すると、マスクもしない20代から30代くらいの人たちの集団が酔っ払って電車に乗ってきた。ストロング系のアルコール飲料を持っていたり、空き缶がバッグに詰められていたりもする。

都内では夜の街が午後10時くらいに閉店するようで、閉店後にコンビニで缶チューハイを飲み、道端等でワイワイと騒いでいたということだ。

さすが「ゆとり教育」を受けた世代は違うな。自分のことを一番に考えたり、あまり先を見通すことができない教育だったということか。

かといって、コロナ禍での団塊世代の言動を眺めていると、戦後の教育とは何だったのかと思いはするし、その団塊世代から教育を受けた私のような団塊ジュニア世代だって褒められたものではない。

現時点での東京都における実効再生産数は1.68という数字になっている。

緊急事態宣言が解除されて、この数字が1を超えて2に近づき始めたことの意味を、酒を飲んで陽気になっている人たちが理解するとは思えない。

とりわけ、三十路前のゆとり世代は、バブル崩壊後の地獄のような不況をリアルに経験していないので、今回の社会全体での取り組みを真剣に感じていない人がいるのかもしれない。

恋人や友人たちと集まって騒いでいる大学生たちは、おそらくこれから始まるであろう就職氷河期の過酷さを想像していないことだろう。

旧帝国大学はともかく、W大やKO大といった難関大学のレッテルでさえ通用せず、就職に困ったり、希望する職種に就くことができない時代がやってくるかもしれない。

このような不況がやってくると、公務員が人気を集めたりもする。

旧帝国大学はともかく、千葉大学等の地方国立大学、W、KO、J、あるいはMARCHクラスの大学生たちが、浦安市の職員採用試験を受験する日がやってくることだろう。

その時に浦安市職員の給与が日本トップを維持することができているかどうかは分からないが。

就職した後であっても、業績悪化による企業の倒産あるいは大規模なリストラ。自宅のローンを組んだのに給料が上がらず、支払いに苦労するかもしれない。

ただ、社会全体で感染症に対処しようという取り組みに消極的なのは、もちろんだが全ての人たちではないと思う。

「多く」の人たちという表現の「多く」を8割くらいと定義すれば、残りの2割くらいが消極的という計算になるわけだが、2割も消極的になると、さすがに目立って仕方がない。

私はロードバイクのライドを趣味としているのだが、緊急事態宣言が発令された後、ベテランのサイクリストを中心として、多くの人たちは外出でのライドを自粛して、室内トレーニングに切り替えていた。

それでも、ロードバイクを始めて1年程度の初心者、あるいはベテランのライダーであっても、構わずにライドに出ていることがあったらしい。

彼らの行動を制限するような法的根拠はなくて、その人の自由でもある。

各国で都市封鎖が行われても、日本でそれができなかったのは、第二次世界大戦後、国民の行動を過度に制限しないような社会のシステムがもたらされたからだ。

では、実際のところはどうなのだろう。

私の知り合いの知り合いが感染症についてとても詳しいので話を聞いてみたところ、一般の車道をロードバイクに乗って一人で走っている状態では、ウイルスが飛んできて吸い込んだり、他者に感染させるリスクはほとんどないそうだ。

しかし、転倒して病院に運ばれるようなことがあると、どうなるか分からないと。ベッド数に制限があったり、院内で感染症が広がっていたりすると、色々と大変なことになるからだ。

また、一人で走る分には問題なくても、複数で列になって走る時、つまりグループライドにおいて、ソーシャルディスタンスは必ずしも通用しないかもしれないという話だったな。

ソーシャルディスタンスという概念自体が、マスクを付ける習慣がない欧米人を対象として適用されていた背景がある。スーパーコンピューターによるシミュレーションでは、2メートル以上も飛沫が飛ぶ計算になるらしい。

例えば、向かい風の中でマスクをせずにトレインを組んでいて、先頭のライダーがコロナウイルスに感染していてゲホッと飛沫を飛ばしたら、後方のライダーが飛沫を吸い込んでしまうということだろうか。

強度を上げたライドの場合には、肺の奥まで空気を吸ったり、汗ばんだ顔を手で触ってしまったりもする。

ロードバイクチームのグループライドでクラスターが発生したら、おそらくニュースになるのだろうな。

それが実業団チームやショップチームであれば、すぐに噂が広がって特定されることだろう。

現時点の状況を見渡してみると、医療機関の余裕は何とかなりそうだ。また、ソロで近場を走るライドは可能だと思う。

むしろ、先行きが分からない状況では、今のうちに乗っておいた方がいいのかもしれない。

社会全体の緊張感が維持されてはいるが、羽目を外す若者や夜の街が好きな人たちは、自分たちが痛い目に遭わないと新しい生活様式を受け入れることがないかもしれない。

さらに、新型コロナウイルスに対する日本人の抗体保有率の低さが気になる。すでに多くの人たちがウイルスに感染して免疫を有しているわけではないらしい。

となると、今後も感染が広がるリスクがあるということか。

つまり、以前よりも緩い対応を続けている中で、パンデミックの終息がやってくるとは思えず、むしろ第二波のような形で感染が拡大し、自粛が始まることさえあるわけだ。

それは社会全体という大きなスケールだけの話ではなくて、例えば子供たちが通う小学校や児童育成クラブでクラスターが発生しただけで、それらの施設は閉鎖されることだろう。

そうなると、世帯レベルで考えれば、緊急事態宣言下の生活とあまり変わらなくなる。そのリスクが常にあるのが現況だ。

酔っ払って電車に乗ってくる人たちは、そのことを深く考えているとは思えない。

とはいえ、長らく続いた緊急事態宣言が解除されて、人々にこれ以上の我慢は難しいという都合も分かる。

夜の街といっても業種は様々で、料理店や居酒屋を経営している人たちにとっては死活問題だ。行政からの補助だけでは足りないわけだし、私と同じように子供たちを育てている親御さんたちだってたくさんいることだろう。

現在、日本国内において研究者や企業人たちが力を合わせて、新型コロナウイルスに対するワクチンを開発している。

日本のワクチンメーカーは世界的レベルでもなかなかのもので、とりわけウイルス自体を使ったワクチンは得意だったりする。

ワクチンが実用化されて、多くの人たちに接種がなされる日まで、とにかく耐える日々が続くだろうけれど、決して全くの暗闇ではないと思う。

政府において、国家検定を行ってワクチンの品質を確認しているのは、国立感染症研究所の研究官たちだ。

彼らはコロナ対応やワクチンの開発を含めて、浦安市役所くらいの限られた人員で頑張っているのに、原発が嫌いな人たちやマスコミ等から理不尽な批判の矢を浴びていたりもする。

企業におけるワクチンの生産がフル稼働した時、彼らは科学者なのに行政の人という立場において、相変わらず限られた人員で身を粉にしてワクチンの品質管理に取り組むことだろう。

第二波が来るまでのしばらくの間、私たちのようなサイクリストは、短い時間であってもソロのライドに出て、心身の健康を維持したいものだ。

ソロライドであっても気になることがある。それは、マスクの着用。

先日、一人でライドに出かけた時、普段使いのサージカルマスクを付けてペダルを漕いでみたのだが、かなり苦しい。

マスクを付けてジョギングをしている人がいたりもするが、これは厳しいぞ。低酸素トレーニングに近い。夏場は熱中症になるかもしれない。

とはいえ、マスクを付けずに走っていると、歩道を歩いているシニアたちからの視線が痛かったりもする。

ライドの途中でコンビニに入る時、ヘルメットを付けて、アイウェアを付けて、普段使いのマスクを付けている格好はかなりシュールだ。

そのため、Amazonでスポーツ用のフェイスカバーを注文してみた。

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昨今のAmazonは、中華系の業者がかなり進出してきて、しかもレビュー職人たちが金をもらってレビューを投稿していたりもするので、評価機能が上手く働いていない。

この冷感タイプのフェイスカバーは千円程度で販売されていて、Amazonのおすすめのマークが入っていたりするわけだが、レビューはあまり信用することができない。

これだけの価格で実用に耐えることができれば安い買物になるが、そうでなかったとしても安物買いの何とやらということで我慢することができるかな...

という消費者心理を逆手に取っている気がしてならない。出品者をチェックして中華系だったら注文しないということが安全だな。

今回は人柱になってみよう。

Amazonが勧めてきた、このバンダナのような筒状の布。

現物を手にしてみると、これはバンダナの生地を筒状にしただけのものだな。

武士の情けで写真ではロゴを隠しているが、これをマスク代わりにして鼻と口を覆ってみると、平常時でも呼吸が苦しい。濡らしてみると呼吸がさらに厳しい。

耳をかける穴が切られているが、耳にかけると布が両目を覆ってしまう。

この製品に5つ星を付けている人たちは、鼻や口を布で覆っても呼吸することができる強靭な肺活量があって、しかも耳の位置が鼻よりもずっと下に位置しているのだろうか。

原価は100円未満、送料を考えても500円くらいの粗利が出ることだろう。

やはり、連絡先が国際電話の番号のショップの商品に手を出したことは間違いだった。

イギリスや台湾の大手通販サイトなら信用しうるが、Amazonに出品している中華系のショップではよくある話だな。

次に、Amazonが仕入れて販売し、Amazonが発送しているスポーツタイプのマスクも買ってみた。

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ロックブロスという名前のマスク。

先ほどの呼吸が苦しくなる布状の筒と同じく中国製だが、値段が3千円程度。

まあ、日本国内におけるマスクの製造は進んでいなくて、今回のコロナ禍でようやくアパレルメーカー等が参入してきた状態だ。

このスポーツタイプのマスクの場合、おそらく中国で問題になっている大気汚染を想定した製品なのかもしれないな。

黒色のメッシュ生地の縫製はとても丁寧で、特に不満はない。

インナーには薄い活性炭と不織布のフィルターを挟むことができる。

いざ、実装。

工業製品特有の臭いが気になるが、なるほど、これはよく出来た製品だな。

まるで忍者のような厳ついスタイルも悪くない。

マスクの両サイドにはベンチレーションが取り付けられている。息を吸う時にはこのパーツが閉じて、フィルターの部分を空気が通過する。

息を吐く時にはベンチレーションのパーツが開いて、空気がスムーズに外に排出される。

排出される?

フリーで勢いよく吐息が出ていくぞ?

このマスクは、外気にフィルターをかけて吸うためには、かなりの性能があるように思える。

しかし、吐いた息、つまり内気を外に放出する際の空気はフィルター機能を使わずにフリーで出ていくわけだ。

うーん、どうなんだろう。

ソロでライドに行った時に、コンビニに入って買い物をしたり、サイクリングロードの人混みが気になったりと、そういった状況で自分を守りたい時には使えそうだ。

しかし、自分が新型コロナウイルスに感染していた時には、マスクの両サイドから空気がそのまま出てしまうな。

サイクリストの間で広まっている「エチケットマスク」、つまり、「私もマスクを付けていますよ!気を遣っているんですよ!」というレベルでは使えるような気がする。

だが、吸う空気にフィルターをかけても、吐く息にフィルターをかけたい場合には用途を選ぶことだろう。

満員電車の中でこれを付けている人には近づかない方がいいな。

これは困ったな....と思い、Amazon以外の通販サイトを眺めて見ると、「スポーツキッド」というサイクルアパレルを取り扱っているショップが、たくさんのサイクル用のフェイスマスクやフェイスカバーを販売していることに気付いた。

なんだか、今回のコロナ禍では、人や社会の課題だけではなくて、Amazonの課題も露呈した気がするな。

ということで、適当に見つくろってフェイスマスクやフェイスカバーを試してみることにした。

このショップでは、これらの製品が勢いを付けて売れているようだ。

在庫切れで2週間待ちになっている商品が多いようだが、待つだけの価値はあることだろう。

まさか、フェイスマスク沼にはまるとは想像していなかったが、これはこれで楽しい。

答えが見えてきたので、今回の買い物は、轟沈ではなくて中破の判定かな。