2020/06/02

そろそろ島から出航して一人旅

自分自身と向き合って書き綴っている実直なブログを読みたくて、FC2の「心と身体」のジャンルのブログランキングに参加してみた。


「メンタルヘルス」のサブジャンルを選択して他のブログを閲覧したところ、HYPSENTにアクセスしてくださるユーザーが増えた。

この機会は素晴らしいと思ったが、他者のブログばかり拝読するのも恐縮に感じた。

そこで、私が数年前にバーンアウトしかけたエピソードについて、感覚過敏や他の苦しみ、生い立ちを含めて録に詳しく記してみた。

録の内容は脚色なし、事実そのものだ。

よし、これでたくさんの人たちが安心してアクセスしてくれる...

...と思っていたのだが、メンタルヘルスのサブジャンルのユーザーが誰も寄り付かなくなった。

本当に驚くくらいにアクセスがなくなってしまった。

メンタルヘルスのサブジャンルにおいては、私のようにシニカルな文章はよろしくなかったのかもしれない。

あるいは、私の漫然な長文が良くなかったのか...内容が現実離れしていて、そんな人はいるはずがないと気持ち悪がられたのか...理由は分からない。

どのような人にも、外面とは違った人生の背景や軌跡があったりもするわけで、その意外性が面白かったりするはずなのだが、あまりにギャップが大きいとそれを真に受けないという話なのだろうか。

そういえば、以前、知り合いとサイクリングに出かけた時、私の職場の玄関の前まで連れて行ったらドン引きされたことがある。

サイクリングだけの付き合いなので、その知り合いには、私が都内の中小企業の庶務係のようなところで働いていると自己紹介しておいたのだが、何かイメージが違ったらしい。

ついでに中に入って自販機で冷たい飲料でも買おうと提案したのだが、頑なに首を横に振っていた。

大丈夫、サイクルウェアを着たままでも入ることができると説明したのだが、そのような問題ではないと。

いや、しかし、メンタルヘルスの人たちが蜘蛛の子を散らすようにいなくなったのは、単純に私の文章が面白くなくて、しかも昔ながらのコミュニケーションが足りなかったこともその理由かもしれないな。

このサブジャンルに限ったことではないけれど、それぞれのブログは個性的でも、全体として見るとよく似た書き方というものがある。年賀状のような感じだな。

テーマが同じならば、どのブログも構成自体はよく似ていて、エピソードや写真、話の展開が違うという感じに見える。

自転車関連のブログとかは、その最たるものだな。

このステレオタイプな雰囲気は、自分と他者との間で共感を生むことが多いのだろう。

そして、拍手ボタンやコメント欄を用意して、他者からのレスポンスを待つわけだな。

ネット上で出会ったブロガーに軽くコメントを送り、互いにブログにアクセスするという付き合いがあったりもする。

他者との繋がりは結構楽しくて、自分の存在を知ってくれている人が増えることは嬉しい。

この社会性は人間の本能にプログラムされたものかもしれない。ブログからSNSに移行するネットユーザーが多い理由も分かる。

私も一時期、ネットを基点として素晴らしい出会いがあるのかなと期待したことがあった。

確かにリアルな場面にまで繋がりが広がったこともあった。

しかし、ブログを閉じたら、リアルな世界を含めてその繋がりのほとんどが消えて、自分の周りに残らなかった。

2016年から2018年にかけて、共働きの子育ての夫婦仲や長時間の電車通勤、そして浦安市内に住む妻の実家との人間関係で疲れ果てて、私はバーンアウトを起こした。

古くから付き合いのある友人が産業医の資格を持っているので、クリニックで診療を受けてもいないし、投薬も受けていないが、それらのストレスに対して適応障害も起こしていたのだと思う。

当時、子育てとロードバイクをテーマとしたブログを運営していて、1ヶ月のアクセスが1万ページビューを超えていたけれど、ネットでの人との繋がりは、私のバーンアウトの窮地において何の助けにもならなかった。

私自身がそのような繋がりに疲れてしまい、自ら繋がりを絶ってしまったという見方もあるけれど。

プライベートでは、ほぼネット断ちしながら生活録としてブログを続けることにした。

他者に読んでもらおうという気持ちよりも、その時に何があって、何を考えたのかを残しておこうと思った。それだけ。

しかし、それでは何か寂しくて、FC2ブログのジャンルに参加した。

FC2のブログはユーザーの半数どころか7割くらいのブログが更新を停止しているようだ。SNSやnote、はてなブログにユーザーが流れたのかもしれないな。

しかし、古参のFC2のブログには、昔と変わらない落ち着きと趣があって、とても気持ちが和んだ。

一人で小舟に乗ってネット上を漂流していてたどり着いた「島」のような雰囲気がある。

しかし、この島に居続けるのはやめておこう。

居心地が良すぎて、慣れてしまうと人生の楽しみが減る。

また、私には、島の住人の皆さんと上手くコミュニケーションを取ることもできないと思う。

小舟の修理や補充も終わったので、そろそろ出航の時だな。再び一人で海に出よう。あくまでイメージだけれど。

たまに立ち寄ってネット上でゆっくりしたい時のために、普段はFC2のブログジャンルにアクセスしない方が、その有り難みが大きくなる。

パンデミックから平時への移行は難しく、心が削れる毎日が続いている。

その一方で、私が何を考えていたとしても、仕事や家庭は大きな流れを形成して進んでいく。

その潮流に乗って流されながら、それでも必死に小舟の帆を張って、自分が進みたい方向を探す。

この浮動感はそのような感じだな。

パンデミックによって生活や経済は大きなダメージを受け、社会や人の心は荒んでいる。

このような時は、誰かを心の拠り所にせず、自分自身の心を保つことが大切だと思う。

ただでさえ脳に入ってくる情報が多いご時世だ。孤独を恐れず、一人の時間に身を委ねるくらいがちょいどいい。

それでも疲れたら、仕事も家庭も休んで、ロードバイクで遠出をしたり、穏やかなブログの島にアクセスして耐えよう。